２

「・・・食らった後に何が出来るだと・・・・」
「んな！」
「要するに「食らってなければ」いいんだろ。」
俺は一つの大きい黒い固まりを持っている。

「これが魔力の玉というものだよ。」
「何が起こった」
「分からないか？「こいつが力を吸い取った」んだよ」
「馬鹿な。」

「・・・・ふん。おまえほどこの玉は馬鹿者じゃねえよ」
「チャオが偉そうなくちたたくな。」
「ほお、これが「チャオ」ですかい？」
俺は玉の中にいた魔物と立っていた。

（俺が、この玉にいた地獄の神龍「スルドギルド」だ）
「知ってるか？この龍は悪魔を束ねる神。つまり閻魔の右腕。」
「くそ、甘えなんかにそんな神を操れるわけ・・・」
「ところが、俺は悪魔の血が混じっているわけだ。そうだ、あの時・・・」


「ねえ、お父さん！目を覚ましてよ。ねぇ！！」
「・・・ナコ。この液体を・・・ぽよに・・・・・」
「お、お父さん・・・？」
「じゃあな、冥土で又合おう・・・・」
「あ、お父さん！お父さん！お父さん・・・・」
そんな、お父さんもお母さんも死んじゃった・・・・

「くくく、残した遺産はその液体だけか・・・」
「おまえだな！お父さんを殺したのは！」
「そうだ、いずれ又合うだろう、その時は・・・殺してあげよう」
「くそ！おぼえておけよ～」


「あの液体が・・・・嘘だ・・・」
「さあて、冥土の土産だ。第壱号のこの龍の力を見せよう。」
「・・・・・わぁぁぁぁぁぁ」
ふん。跡形もなく消えたな。
この龍に逆らうこと・・・・いや、俺に逆らったのが間違えだったな。はっはっは。

さあて、地下に降りるか。
彼奴は二人組だったな。もう一人が再起動させたに違いない。
水無月と・・・・神無月だったな。

・・・・・・
此処が最下層みたいだな。
何が待ちかまえているのやら。

「・・・・お客さんだね。こんにちは。」
「貴様が神無月か？」
「その通り。ところで、よく水無月を倒せたな。」
「あんなやつはゴキブリ以下だ」
「ふうん。で、僕も倒すという寸法？その、いかにも怖い龍で」
「そうだ。」
そうして、俺は龍に炎をはかせる。
対象物が燃え尽きるまで消えないと言う黒炎だ。

「・・・成る程」
・・・しゅううううううう
「んな！ばかな！」
「こいつが何か分かるかい？これは不死鳥だよ。」
「なに。おまえ、そんなやつを・・・・」

不死鳥と言えば、閻魔の左腕。
死なない鳥なのである。
「わかった？これで僕たちは互角だね」
「くそお・・・」

「さあて、行くぞ！火来神！」
すると、こちらに向かって火の球が飛んできた。
「くそお、八方陣。」
どごおおおおおおおお・・・・

「ほお、私の攻撃を守りましたね」
「次は俺の番だ。もうそろそろ自分の力で行こうか。」

俺は妖刀「黒獄炎」を取り出す。
龍もそこに取り込んだ。
「おまえの最後だ！」
ヒュンと風を斬る。黒炎がまっすぐに地を走る。
「そうですか・・・なら私も」

どごおおおおおおお・・・・・・
「行きますよ。「風斬り」」
ぴしゅうん。ふぁっ・・・

「んな、炎が切れた・・・・」
「私も妖刀「飛翔斬」がある。勝負です。」
「望むところだ！」

続く