「9章」 124話 ヴォルストVS女神 『終わりの始まり』
◆前回までのあらすじ
マスターエメラルドを利用して女神を消滅させようとしたヴォルスト
乏しい希望ではあるが再出発を試みたヴォルスト
そんな矢先、ヴォルストの体を女神の槍が貫いた。
◆タイトル
124話 ヴォルストVS女神 『終わりの始まり』
◆本題
「このままで終わると思うなよ!!」
包まれた光の中から女神の叫びと槍が闇をまといヴォルストに投げ込まれた。
不意をつかれたヴォルストの体を槍が貫いてしまった。
ヴォルストは油断してしまっていたである。
槍に纏っていた闇のエネルギーもあり、貫いた傷口から闇がヴォルストを蝕んでいく。
ヴォルストはその場で倒れこんでしまった。
女神も笑みを浮かべると包まれた光によって消滅してしまった。
そしてその場にあったマスターエメラルドは破裂し、世界各地へかけらが散乱していくのであった。
「ヴォルスト様!!!!!!」
近くにいたブレインが倒れているヴォルストの体に手を添える。
「ブレイン...。油断してしまったな。」
ヴォルストは苦痛の中少し笑みを浮かべた。
「ヴォルスト様!一刻も早く治療をしましょう!まだ助かります!」
「まだ私は生きれるのか...。」
ヴォルストの頭は走馬灯のように思い出が流れ込んでいく。
DN帝国を建国し、世界最大の軍事力を備え、世界各地へ善人者として振る舞い貢献した。
そして世界を支配する計画も後少しだった。
そんな感情が頭の中でこだまするのである。
「私はまだ終わりたくない、、、。」
女神が放った雨がまだ降りやまないDN帝国本部上空。
うすらうすらとヴォルストの意識が朦朧とするのであった。
ーーーーーレジェンディア会議室ーーーーー
この状況は遠目からにはなるが、
世界政府の飛空艇から動画がとられ、全世界に中継されている。
女神が消滅し、ヴォルストが倒れていることも当然映っている。
世界政府の拠点、レジェンディアの会議室からも要人(国王や世界政府役員)がこの状況を見ている。
最強の軍事国家DN帝国との全面戦争。ジェノム0により劣勢を強いられるが
予想外の女神の登場によりマスターエメラルドの崩壊だけでなく、
3幻神の一角の消滅並びに総帥が死にかけているこの状況を...。
要人達は唖然としていた。
これで全面戦争は終わりなのか?
ヴォルストはこのまま死ぬのか?
DN帝国はどうなるのか?
この後どうなるのか?
この戦いの終点はなんなのか?
いろいろな感情を皆が持つ。
そんな中、世界政府長官「グローリ」が喋りだす。
「このままDN帝国を制止する。この世界の秩序を再形成するのだ。」
要人達がざわつき始める。
グローリーはざわつきを無視し、会議室をすぐさま後にした。
そして電話をかける。
相手は先ほど話をしていた側近である。
「グローリー様どうかしましたか。」
「中継を今見ているか?状況が一変した。先ほどの<手段>を試行し、DN帝国を殲滅させるぞ。」
ーーーーーDN帝国本部 ブレインの研究室ーーーーー
視点が再度変わる。
意識が朦朧としたヴォルストをかつぎながらブレインは
DN帝国最上階から自分自身の研究室へ向かっていた。
研究室はブレインがジェノム0を開発するための研究をしていたところだ。
ブレインは研究室に到着するとヴォルストをベッドに横たわらせた。
「すまないな。ブレイン...。貴様の助言を素直に聞いて逃げれば良かったか...。」
息もだえながらヴォルストは目の前のブレインに喋りかけた。
しかしブレインから返事はなかった。
笑みだけを浮かべて...。
そしてヴォルストの深い傷口に自分の魔法である毒(ペイン)を突然打ち込んだ。
「このまま永遠に眠れ。」
125話へ続く。