「9章」 123話 ヴォルストVS女神 『混沌を統べるもの』
◆前回までのあらすじ
DN帝国本部上空に舞い降りた3幻神の一人「女神」
女神はヴォルストが所有するマスターエメラルドを奪うために
宇宙コロニーから下りてきたのだ。
奪われることを阻止するため、ヴォルストは戦いを挑むが
女神の圧倒的な力により苦戦を強いるのであった。
◆タイトル
123話 ヴォルストVS女神 『抑えるもの 其は混沌を統べるもの』
◆本題
「マスターエメラルドを使用して女神を倒すしかない...!!」
ヴォルストはマスターエメラルドを取り出した。
本来マスターエメラルドは宇宙コロニーへ行くために用意したものである。
しかし、このままではDN帝国諸共、女神によって破壊されることを恐れたのだ。
「ヴォルスト様!マスターエメラルドをここで使ってはなりませぬ!」
近くにいたブレインは叫んだ。
マスターエメラルドを完成させたのはブレインだ。
元々の計画を破棄してまでこの状況を打開する必要があるのかとブレインは思った。
続けてヴォルストに意見を申し上げる。
「いったんここは撤退いたしましょう!別の支部へ避難し戦いに備えましょう!」
「馬鹿か貴様は!!ここを撤退したら戦力は落ち、世界政府の介入により崩壊するぞ!」
すぐさまヴォルストはブレインへ反論する。
ヴォルストには総帥として今後の未来予測ができていた。
ここで負ければ全てが終わることを。
ヴォルストは女神にむかってマスターエメラルドをかかげて以下を叫んだ。
「行うもの 其は七つの混沌 混沌は力 力は心によりて力たり 抑えるもの 其は混沌を統べるもの
目の前のチャオを破壊せよ!!」
マスターエメラルドは突然輝きだし、ヴォルストの手を離れた。
そして次の瞬間、マスターエメラルドから放たれた光が女神を包んでいく。
女神も包まれた光から脱出しようと、自分の魔力で弾き返そうとするが弾き返すことができない。
「なんだ、、、この光は、、、、!!体が蝕まれていく、、、、!」
女神は苦しそうに発言する。
次第に反発していた女神の魔力が徐々に弱くなっていき、完全にマスターエメラルドの光に覆われた。
「これで貴様も終わりだ、、、、。」
息が上がっているヴォルストは笑みを浮かべた。
マスターエメラルドの強大な力はこの世の万物に対し有効である。
放たれる強大な光のエネルギーは全てを抑止することができるのだ。
そして包まれた光が物体を消滅させることも知っていた。
また、消滅させた後、マスターエメラルドは破壊され、破片となったかけらが世界各地に散乱されることも知っていた。
ヴォルストは女神を倒した後、ブレインの提言した通り
一時的に撤退する予定であった。
これはブレインの意見ではなく、自分自身予測していたことである。
世界政府からの警告および女神が来た時点で
現状では戦うことができないことを悟っていた。
撤退後はジェノム0を増産し、再度マスターエメラルドのかけらを再収集し再度宇宙コロニーへ向かう。
いつになるかはわからないが再出発をするしか今生きる道はない、、、、。
乏しい希望を信じて、、、。
マスターエメラルドの光に覆われた女神が消滅することを見ているヴォルスト。
しかし、女神はまだ終わってはいなかった。
「このままで終わると思うなよ!!」
包まれた光の中から女神の叫びと槍が闇をまといヴォルストに投げ込まれた。
不意をつかれたヴォルストの体を槍が貫いてしまった。
124話へ続く。