「8章」 113話 『スパイ』
真実の冒険 「8章」 113話 『スパイ』
-----ジュエル村 ジュラル家外-----
1週間後、ジュエル村へガイアを迎えに1つの飛空挺が降りる。
そう、セヴンの飛空挺だ。
ガイアの仲間は全て修行を終え全員がすでに飛空挺へ集まっている状態だ。
あれからガイアは修行を重ねていた。
井戸から出たあと、DN帝国兵がいないか細心の注意を払っていたがジュエルがどうにかしたらしく
ジュエル村の住民もガイアに対して温かい目を向けてくれるようになり、警戒をせずに修行ができたようだ。
しかしジュラルはDN帝国に対して何を伝え追いやったのか。
マスコミを仲間にして世界中でガイア一味を大犯罪者と報道しているにも関わらずジュエル村では一切煙が立たないのだ。
そのおかげで心地よく修行ができたのは間違いではないが。
「ジュエル様、この1週間ご指導ありがとうございました」
「いいんだ。私が教えられることはほとんどなかったがね」
「いいえ、ツルギの秘密がわかったことでも大きな収穫です。この後はDN帝国へ向かいリベンジしてきます!!」
ガイアはそう言葉を残すと飛空挺へと飛び乗った。
徐々に飛空挺は上空へと飛んでいく。
ジュエルの姿は飛空挺からはすぐに米粒のような大きさとなっていた。
「ガイアよ。お前には頑張ってもらうぞ」
そう一言残してジュラルは自分の家へと戻っていく。
-----飛空挺内部-----
プシャーっと飛空挺のエントランス扉が開きガイアはエントランスへ入っていく。
中にはすでにオキス、レッド、レイズ、ジン、ヴィラ、プラムがイスに座っていたが
全員立ち上がり、ガイアのところへ駆け寄る。
一目散にガイアへ飛び込んだのがプラムであった
「ガイアさん!!お久しぶりです!!もう死んだかと思ってました!!」
「大結晶以来だなプラム。俺も自分で言うのはおかしいがどうやら生きているようだ」
ガイアはオキスとレッドの顔を見た
「オキス、レッド久しぶりだな」
「普通にあの状況で生きてる俺らも奇跡だが、ガイアも大概だぜ」
オキスはガイアと握手をする。
「むしろここにいるのは全てセヴンのおかげだ。セヴンに感謝しないとなガイア」
レッドもガイアと握手をする。
「そうだな、セヴンがこの修行や今までも色々と手配してくれていたみたいだし頭が上がらないよ」
セヴンは飛空挺の運転をしている。
行先はDN帝国だ。
「ガイア、とりあえず俺が色々とここまで決めていたがリーダーはお前だ。これからはお前が指示を出してくれ」
セヴンは舵をとりながらしゃべる。
ガイアはジンとヴィラとレイズとも握手をし、エントランスにある大きなテーブルの中心へと座った。
そして大きなテーブルに世界地図を広げ、指揮をとり始める。
「そうだな。これからの行先はDN帝国本部で問題ない。
現状マスコミは俺らのことを犯罪者として報道しているため他の町で休んでいる暇はない状態だ。
そしてDN帝国もいまや崩壊寸前!本部にはDN帝国幹部やSクラスのチャオが多く配備されていることが予想される。
修行でみんな強くなったはずだ!このままDN帝国へ突っ込んでも問題はない気がする。」
「いや、確かにみんな強くはなった。しかし我らの兵力だけではさすがにDN帝国兵全部を相手にするのは難しい気がするのう」
口を開いたのはジンだった。
それに合わせてレイズもしゃべる
「私たちはここにいるメンバー全部合わせて8人、相手は約300の兵士は配備されているはず。レベルが違えどこのまま突っ込むのは甘いわ」
「レイズ、何か考えはあるのか??」
「これから行くDN帝国本部の住民は全て非難しているみたい。つまり【外部から総攻撃】して本部自体を壊滅させることは可能だわ」
「外部から総攻撃??」
レイズは1枚の紙をガイアへ渡した。
そこには以下のように記されてある。
<<DN帝国総攻撃作戦>>
----作戦内容----
カタストロフの飛空挺を全てDN帝国本部へ向けて発進させ外から砲撃による攻撃を行う。
外部の大本を破壊したところですぐに幹部室がある場所へむかい幹部達を撃破
幹部達の撃破後、ヴォルスト総帥およびブレインを拘束する。
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作戦は単純明確であった。
しかしこれはあまりにも陳腐な作戦であることは間違いない。
操縦しているセヴンへガイアは問う
「一つ確認したい。セヴン、カタストロフの飛空挺を出動させてDN本部を破壊することは問題ない。
しかし確実に世界を敵に回すぞ。DN帝国は世界の大帝国だ。それくらい承知のつもりか??」
「承知済みだ。そして世界は僕の国カタストロフを敵にすることはない」
「どういうことだ??」
「みんなが修行をしている間の1週間、僕自身やることがあってね。それが今回の結果につながるわけさ。」
セヴンは操縦席から何十枚も束ねた資料をカタストロフ兵士に渡し、ガイアが座っている席まで届けた。
ガイアはこの資料を読み驚く。
「これは、、、DN帝国が裏でやっていた悪行をまとめた資料、、、どうしてこんなもの入手できたんだ」
セヴンはつぶやく
「DN帝国側に全ての機密情報をくれるスパイがいる。そのスパイから今回の悪行およびDN帝国本部の設計書を頂いた。
そしてこの機密情報を世界政府に渡したのさ。一応カタストロフ王として世界政府へ届ける事は可能だからね。
世界政府は今回の作戦について全て了承を頂いた。DN帝国内部は現在火の車になっているはずさ」
「だからジュエル村からDN帝国兵士がいなくなったのか!!つながったぜ。ありがとうセヴン!!」
「僕ができることはこれくらいさ。」
「でも帝国側のスパイって一体。。。」
「彼さ」
口を慎んでいたヴィラが1枚の写真を渡す。
ガイアは写真のチャオを見てまたもや驚く
「ウソだろ、、、、こいつがスパイ!?本当に信用して問題ないのか!?」
「彼のことはガイアが一番知っているんじゃないか」
スパイとはだれのことだろうか??
そのころDN帝国内部はセヴンの思惑通り火の車となっていた。
114話へ続く