「8章」 109話 ヴィラ・ジン修行編 『怯えと勇気』
仲間が各地へ修行をする中、ジンとヴィラは飛行船の中で待機をしている。
プラネットバレーから離れて約1時間、真っ赤な夕焼けの空からいつの間にか白い空へと風景が変化していく。
高速の飛行船、セヴンが選んだ優秀なカタストロフの兵士は舵をしっかりと持ちジンとヴィラを運んでいく。
ジンとヴィラのいく『フリージングボーゲン』は年中冬として知られている。
ヴィラの故郷でもあり、ジンとヒュウガの出会いの場所でもあった。
しかし問題としてヒュウガは行方不明となっていた。
どこに姿を消していたのか?なぜ彼は消えたのか・・・・・・・・?
カタストロフ兵士「もうすぐフリージングボーゲンに到着です。」
ジン「御苦労じゃ」
ヴィラ「ヒュウガ師匠・・・・一体どこへ行ってたんだろう」
ヴィラはヒュウガ師匠との修行の日々を思い出していた。
最初は俺がサーベルを持って友達とケンカしていたのが始まりだっけか?
危ないものを振り回すなと怒られたのがヒュウガ師匠との出会いだったな・・・。あのときの俺は両親をDN帝国に殺されて自暴自棄になっていた時代だ。
それから武術を全てヒュウガ師匠に教えてもらったんだ。
憎くて憎くて仕方なかったDN帝国の憎しみ、怒りを戦う勇気に変えてくれて俺の恩人。
あなたから教えてもらったことは絶対に忘れない・・・・・!!!!
ジン「ヴィラ?」
ずっと何か考え事をしているようなヴィラに声をかけるジン。
今からDN帝国を倒すための修行。
こみ上げる思いは大きいものである。
ヴィラ「あっ・・・すいませんジンさん。ちょっとこれから先戦うことに怯えてしまって」
ヴィラはジェノムの戦いからトラウマが残っていた。
ジェノム戦、ブリザードと共にヴィラは絶望的状況に立たされていた。
ヴィラでの戦いのの記憶はここで終わってしまっているが、洞窟内でDN帝国の幹部「アタリーナ」と戦っていた時にヴィラは戦う勇気をもつことができなかった。
ただアタリーナの電撃の魔力に足が震えた。
そう、彼はこのときジェノム戦の記憶を思い出してしまっていたのである。
今までの自分が甘かった。
そんな小さな勇気は破壊されてしまった。
ジン「大丈夫じゃ。ヒュウガ師匠に会えば全てを勇気に変えてくれる。我もそうじゃった。ヒュウガ師匠は我々に勇気をくれんじゃ」
ヴィラ「・・・・・・」
ジン「これから戦うのは辛いのはわかる。だからこそ戦う勇気・『ファイティングスピリッツ』が必要じゃ」
2人はしばらく先のことを話し合った。
そこで答えが見つかったかはわからない。
ただ、彼らの目は絶望していない。
カタストロフ兵士「到着しました。フリージングボーゲン・『ヒュウガ師匠の道場前』です」
ジン「さあ行こうヴィラ。ここで己の全てを鍛えよう」
ヴィラ「はい・・・・・!!!!」
続く。