「8章」 106話 オキス修行編 『炎を作る方法』
ランサー「後はがんばってくれ。このメモにも重要な事が書いてあるから目を通すのじゃ」
オキスにランサーは1枚の小さな紙を渡した。
そして道場をランサーは後にする。
1回見た技だけで学ぶのは非常に困難である。
「見て覚えろ」と良くいうが今回のは気やすめにすぎない。
ただ技のヒントをオキスは見て少しは得たので、後はひたすら練習をするしかなかった。
オキス「とりあえず風で槍を具現化させてみよう。そこからだ」
オキスは新しくカタスロフで手に入れた槍『ストームランス』を使い、風の魔法を精製する。
『ストームランス』は風を作ることができる槍だ。
その精製した風の魔法で今度は風の槍へと変換させていく。
風は槍の形に変化していき、すぐに約5つは作ることができた。
オキスの周りには風の槍が浮かんでいる状態である。
しかしこの後が問題、風の槍を回転させなければならない。
それもかなりの回転を起こし、風の槍から『青い炎』を起こさなければならない。
オキス「どうやってこいつ等を回転させればいいんだ・・・?」
『風の槍』を回転させるという発想は未知の世界である。
ランサーが残したメモによれば『炎を起こすイメージ=炎を起こす過程=技』が重要と書いてある。
炎を起こすイメージとはどのようなものなのか?
オキスは必死に『風の槍』に対して回転するように、念を送るようにするが動くことはない。
しばらく考えているうちに具現化された風の槍は風に戻り、跡形もなく姿を消してしまった。
オキスの脳内は仮説によるイメージが多く作られていく。
自分のイメージで物体が動く=回転することなどほぼ不可能である。
なら自力で風の槍を回転させるにはどうするべきか?
いくどとなく、果てしない検証が始まる。
とりあえず無数の風の槍を具現化させ『大きな鉄の塊』に当ててみたが結果、1ミリもかけることのない物だということがわかった。
炎を精製し、その威力で『大きな鉄の塊』に穴を開けなければいけないことがわかってくる。
炎を作る難しさをオキスは実感していた。
どうやっても炎を作ることができない・・・・・。
時間は刻々と過ぎていく。
検証をしていたらいつの間にか夜の12時を過ぎていた・・・・・・・・・。
ランサー「1日目終了じゃ。今から8時間寝てもらう。」
12時を過ぎるとランサーは再び道場に来る。
『大きな鉄の塊』は1ミリもかけてはいない。
オキスは床に倒れていた。
何もできない、自分の体は無傷だが心は無傷ではなかった。
目の前にある大きな鉄の塊がいっそうオキスの心をしめつけていく・・。
オキス「ランサー師匠・・・・・俺はこの1週間で強くなることはできるのでしょうか・?」
ランサー「そういう問いにワシは答えはせん。さっさと寝室へ行き八時間寝るのじゃ」
オキス「・・・・・」
ランサーに言われるがままにオキスは道場を後にして睡眠をとる。
抵抗するような力も残っていなかった。
次の日の朝九時、再びこの道場にオキスは足を入れる。
するとランサー師匠が鉄の塊の前でとどまっていた。
ランサー「起きたかオキスよ」
オキス「ランサー師匠・・・・・・・。」
ランサー「朝からなんだその顔は。そんなんだとDN帝国を倒すことなど到底無理じゃな」
ランサーは自分の槍『グングニル』を構え、槍を回転させ始める
ランサー「オキス、『竜巻』をつくることはできるか?」
オキス「・・・・・小さい竜巻なら作ることができますが・・・・・・それが何か?」
ランサー「ミッシング・メテオ・ストームは言わば竜巻を利用することで生み出すことが可能なんじゃ」
オキス「竜巻を・・・・・・・・・・・?」
オキスの脳にある1つの大きな仮説が生まれる。
続く。