「8章」 101話 ガイアVSドラゴ 「銀のツルギ」
ガイアは意識を失い・・・・自分の心の中で何かを思い出していた。
周りは真っ黒の中自分一人でいる。
思い出していたのは・・・・・あのジェノム戦で自分が繭になり、ゼロムが自分の繭の中に現れた時のことだった。
なぜかこの言葉がガイアの脳内に強く蠢(うごめ)く。
ゼロム「今からお前が知らない『2つのツルギ』の能力を伝達させる。それを使いジェノムを倒せ」
2つ中1つは『白きツルギ』である。これでジェノムを倒した。
ならばあと1つの能力とは一体何であるのか?
それはガイアの体しか知らない。(ゼロムの力により)
なぜ忘れかけていた記憶からこのキーワードが思い出されたのか?
今新たな能力が開花する時期ということなのだろうか?
目の前がいっきに真っ白になりすぐにガイアは目を覚ます。
周りの木はドラゴの炎により燃え、地上の温度は上昇していた。
熱さ、微妙な意識の中、目の前にいるドラゴがいる。
ドラゴ「俺様の『ドラゴンブレッド』を喰らっても一瞬だけ意識を失っただけか・・。死んだとはおもわなかったが」
ガイア「(体がさっきよりめちゃくちゃ重たい・・・いくつか体の内部が損傷しているかもしれない・・。それにさっきの記憶は一体)」
ドラゴはガイアに近付いていく。
ガイアも動こうとするが予想以上にダメージがきているため思うように体が動かない。
すぐに二人の距離は近くなる。
ドラゴ「喋ることもできないか・・・。あと1発で終わらしてやる。」
ガイア「ドラゴ・・・俺を見くびるなよ。ピンチの時こそ強くなれるってもんだぜ。たぶんそろそろ『進化』する時だ」
ガイアはドラゴを睨みつけ、息をきらしながらドラゴに言う。
ドラゴ「口だけが達者だな。限界のくせに・・・・・・・・・・そのまま逝っちまえ!」
ドラゴがまた風と炎を纏った拳『ドラゴンブレッド』で思いっきり上からガイアを殴りつけようとした。
そこをガイアは2本の『赤きツルギ』でガードするが、体力がほぼないためか、よろけながら後ろへ吹っ飛ぶ。倒れはしなかったもののもうヨロヨロだ。
しかし今の剣と拳が衝突した衝撃でガイアの体から脳へある『意識』が伝達される。
ガイアは目が白眼になるが、そのとき笑みを浮かべた。
ガイア「ドラゴ・・・今からお前を・・・・・・・・倒してみせる。」
ドラゴ「今の攻撃で頭がいっちゃったか?もう体もヨロヨロじゃないか。でも俺様の『ドラゴンブレッド』で死ななかったのはお前が初めてだ。思考がだめになったか?」
ガイア「その自信過剰な性格もここまでだ。意識はある、あとは体がもつかどうかだ。衝撃により完全に『能力』が伝達された。いくぞ!!」
ガイアの持つ『赤きツルギ』は変化していく。
その色は今までみたことのない色である『銀』の2本の剣へと変わっていった。
形は2本とも『赤きツルギ』より大きな剣だ。
これを見たドラゴは驚く。
初めて見た剣だ・・・・。なぜ今まで使わなかったんだ?
いきなり新たな技を繰り出すとは思えない。なぜこのタイミング?
まさかまだガイアは本気をだしていなかったとでも・・・。
少し・・・・冷静になろう。
所詮アイツの体はもうガタがきている。
最後の悪あがきだろう。
今更俺様も新たな技などはない、あとは自分の力を信じていくしかない。
俺様はやれる!やれるんだ!
ドラゴ「お前が今更なにしようと俺の『ドラゴンブレッド』の力の前では意味もない」
ガイア「本気でそう思っているのか?・・・俺もこれを使うのは初めてだが想像以上な気がするよ!!」
ドラゴ「ならば試してみるか!!!!」
ドラゴは再びガイアに向かって突っ込む。
それに合わせてガイアも突っ込んだ。
二人の攻撃はもうこれで何回目だろうか?衝突する。
ゴォッォオオオオオオオオン!
今まで以上に大きな音が鳴り響く。
すると今度はガイアではなくドラゴが大きく吹っ飛んだ。
ガイアは追い打ちをかけるようにドラゴに向かって何度か攻撃をしかけていく。
ドラゴは全てガードするが、全ての攻撃において力負けをしてしまう。
最後の攻撃により、ドラゴが今度は地面にたたきつけられた。
ガイアの動きは特別すごいわけではない。
ならなぜガイアはドラゴを吹っ飛ばすことができたのだろうか?
ドラゴは口をあけ、唖然とし驚いていた。
ガイア「俺の『銀のツルギ』の威力はすごいな・・。さあ反撃開始だ!」
続く。
※ゼロムと『銀のツルギ』の伝達など内容は
真実の冒険後半:57話・59話に掲載されています。
59話の『緑のツルギ』というのは『白のツルギ』のことです。