「8章」 99話 ガイアVSドラゴ 「集中」

『白のツルギ』は相手の魔力を吸収し、無効もしくは自分の力へと変えられるツルギである。
もし『白のツルギ』でドラゴの攻撃を防いだ場合、ドラゴの攻撃を無効、あるいは『風の魔力をもつツルギ』のどちらかを選択することができる。


ガイア「(問題はアイツの魔力の量ではなく、力の強さだな・・)」
ドラゴ「さあ行くぞ!」


横へ吹っ飛んだガイアに向かってドラゴは走って追い打ちしにいく。
ドラゴは手だけではなく足にも風をまとっていた。
ガイアはドラゴが走ってくる方向とは違うところへ走っていく。
どうやらこの『太古の森』は森林が多いので木を使ってガードしながらの攻撃をしようと考えたのだ。
ドラゴも逃げるガイアを追いかけ、目の前にある木は全て足と手で破壊していく。


ドラゴ「逃げてばかりじゃどうにもならないぜ!」


ドラゴは次々と森林を破壊していく。
ドッォオオオン ドォオオオオン 大木が地面に落ちる音が鳴り響く。


ガイアは心の中でドラゴの攻撃について考えていた。
なんつー攻撃力だ。
大木が小枝みたいに1発で破壊されるのかよ・・。信じられないぜ、あの拳が異常に強いのか・・もしくはあの風の魔力が異常なのか。
どちらにしろ、1発でも剣で防ぎきれずに、ボディーに喰らったら俺の臓器は吹っ飛んでしまう可能性がある。
こりゃやべえぞ・・・・!!


ガイアは逃げながらもドラゴとの間合い、攻撃のタイミングを合わせていた。
今ガイアからすればドラゴは『暴れる闘牛』のようなもの。
タイミングを合わせ攻撃することの重要性をこの木を使いながら図っていた。
そしてドラゴが大木を倒して横から飛び出してきた瞬間!ガイアも攻撃に移る!


ガイア「おらあ!」


ガイアはドラゴの動きに合わせ、木の陰から突如現れ、剣を大きく振る。
ドラゴもガイアの位置は知っていたため、避けながらもパンチを当てに来た。
そのパンチはガイアの横をギリギリそれるが、風の魔力のせいか、ガイアはまたもや大きく横に吹っ飛んだ!
その吹っ飛びにドラゴも合わせて飛び込む!
空中で二人はまた交り合う!


ドラゴ「その体制からじゃなにもできねえだろ!」
ガイア「いや、お前からもらった『風の魔力』があるぜ!」


ガイアはさっきギリギリ避けた際のドラゴの拳から出る風の魔力を『白のツルギ』で吸収し、溜まった風をいっきに解放する。
風は二人の間に大きく生まれ、二人の距離を大きくはなれさせた。
二人とも離れた場所に着地する。
離れている距離は約3M。


ドラゴ「お前のその剣は俺様の風の魔力を吸収できるようだな・・」
ガイア「どうかな・・」
ドラゴ「まあいいさ、俺様の魔力はとてもつもない量だ。逃げられるのも時間の問題さ」
ガイア「いつまでも逃げているわけじゃないぞ!」


逃げながらも相手の力量をみたガイアは今度はみずから攻撃を仕掛ける。


ガイア「(ちゃんとに避けながら、なおかつ中心を狙えば風の影響で吹っ飛ぶこともなく攻撃を続ける事ができるはず!)」


ドラゴは逃げずにガイアが来るのを待っている。
二人の距離はすでに1Mまできていた。
ガァァァァアアアアン!
ガガガッガアアアアン!
バババアアアン!
両者の攻撃が紙一重で避けられ、また鈍い音でぶつかり合い、真っ向勝負で当たり合う。
ドラゴの両手両足の武術に対して、ガイアは『白のツルギ』と『赤のツルギ』を交互に超スピードで変換させながら対応していく。
ガイアの狙いは魔力の消費である。
どんなチャオでも魔力の限界は必ずある。
逆にドラゴはガイアの体力の消費を狙う。
自分の魔力に相当の自信があるようだ。
お互いの攻撃はずっと終わることなくかれこれ10分以上、集中力をきらさずに繰り返す。
二人ともなかなか心が折れない。
それでもさきに嫌悪を感じとったのはドラゴであった。


ドラゴはいきなり後ろに跳ね跳び、ハアハア・・・・と息を整える。
こいつ・・・前よりも格段に強くなってやがる。俺が持つ情報とは全くとがう!
今までの経験なのか・・・?ジェノムを倒したことによる自信なのか・・・・・。
どちらにせよ観察力、洞察力がずば抜けている。
でもな・・俺様だってこの『拳』と『脚』には相当の自信があるぜ
この四肢ぬ全てをかけて今までやってきたんだからな。幹部に上がるため、そして親父をいつか越えるため・・・。
こんなところじゃ負けられねえ!


父とはヴォルストである。
ドラゴは今までとは違う構え、型を作る。


ガイア「はぁ・・・・はぁ・・・・・・今までとは違う構えかただと」
ドラゴ「俺様はお前の強さを認めよう。だがな、俺様には決して勝つことはできないぜ。代々伝わる必殺の『ドラゴンブレッド』を見せてやる!」


続く。

このページについて
掲載日
2010年3月2日
ページ番号
282 / 310
この作品について
タイトル
真実の冒険
作者
土星(サターン)
初回掲載
週刊チャオ第107号
最終掲載
2021年6月29日
連載期間
約17年3ヵ月12日