「8章」 95話 「マスターエメラルド」

書類をオキスが読もうとする。
『いや、今は読むのはよそう。とりあえず今は仲間の回復が必要だ』
セヴンはオキスが読もうとしたときに、いままで牢屋に閉じ込められていた仲間を気遣い、セヴンの国『カタストロフ』で書類について考えることを進めた。
この意見にオキスは賛成し、むしろ自分勝手な事をしたと自分を責めた。
セヴンは「そんなことはない」とオキスを宥め、とりあえず一向は飛行船に乗り、カタストロフへと向かう。
カタストロフに到着したのはほぼ夜中。
牢屋に閉じ込められていたヴィラ・レイズ・プラムは念のため治療室へ。
オキス、ジン、レッド、セヴンはまた会議室で持ってきた書類について考察をする。
彼らも疲れているだろうが、休む暇などなかった。


『カタストロフ城 会議室』
オキスはDN帝国の書類をみんなの前で読む。


極秘事項
『マスターエメラルドによる宇宙への移動 3幻神破壊作戦』
                                 著者 ブレイン
【マスターエメラルド】とは例の【黒の魔石】同様の力があり、物体を自分の好きなところへ移動させることができる効果を持っている。
しかしこの世界にマスターエメラルドの欠片が5つあり、これを組み合わせて完成することで力を発揮することが可能。
効力は2回ほどあり、2回つかうことでまたかけらは世界のどこかへ飛んでいく。
我々の今の軍事力はBクラス、Aクラス、Sクラスおよび幹部の人数を合わせるとほぼ200人余り。
その中で3幻神と戦えるのはSクラスおよび幹部のみとなる。
これだけでは過去のデータを見ても3幻神を倒すことはほぼ不可能とされる。
そこで3幻神に立ち向かうため【ジェノムの量産型 ジェノム0】を投入することが解決策へとなる。
私が最初に作った【ジェノム】は破壊されてしまったため戦闘データの回収が不可。
ただしジェノムの作成データがあるため量産型の【ジェノム0】の開発を今進めている。
力はジェノムには劣るものの、判断力は格段にあげることに成功している。
明日の朝方、DN帝国兵士および幹部は【マスターエメラルド】の回収へと向かう。
ただマスターエメラルドの欠片の位置が把握できていないため、限界まで捜索しても1週間はかかる。
そのうちに私は【ジェノム0】の開発を進める。
肝心な3幻神の居場所だが、この世界の宇宙機関からこの星の外に小さなコロニーが生まれたというニュースがあった。
これは『3幻神およびチャインの巣』であると予想される。
我々の最終的な作戦は【ジェノム0】を量産とSクラスおよび幹部を【マスターエメラルド】の力により3幻神のいる場所までいきコロニーを壊滅させるのが仕事である。
この作戦を成功させれば我々の国家は世界を救った国となり、全てを手に入れる事が出来る。
作戦の失敗は許されない。

この書類は極秘事項なのでAクラス以下の兵士には伝えてはいけない。
またジェノムの存在も絶対に表に出してはいけない。
以上。


オキス「どうやら・・DN帝国はとんでもない作戦を考えているようだな・・」


読み終えたオキスは驚いていた。


レッド「でもよ・・・アイツ等が3幻神を倒してくれるのなら好都合じゃねえか?」
ジン「いや・・仮にアイツ等が3幻神を倒した場合、誰もDN帝国に逆らうことはできなくなるんじゃ。DN帝国に復讐も無理になるんじゃ」
セヴン「この作戦が成功すればDN帝国にかたき討ちは不可能になるな。ただこの世界を救うことはできる」
レッド「(くそ!・・・・・こういうときにガイアがいればよ・・・!!)」


全員はしばらく何かを考えるようにずっと喋らず沈黙を続けた。
それはこの先の策が思い浮かばないからだ。
最初の目的はDN帝国にかたき討ちをするために終結した集団。
今となっては新たな敵『チャイン』と『3幻神』が現れたためにどうしたらいいのかわからなくなってしまった。
このままDN帝国が3幻神を倒してくれれば自分達の目的はDN帝国を倒すことだけである。
でも、DN帝国が3幻神を倒せばいっきにこの国は世界の英雄になり、いろいろな意味でほぼ無敵の国へと進化をしてしまうのだ。
『もしガイアがいればこの状況でどのようにしているのか?』レッドは考えている。


セヴン「書類には今日の朝に『マスターエメラルド』の回収の作戦が決行されると書いてある。だが、あの『DN帝国秘密基地』を見たかぎり今日中に作戦が決行するとは思えない。きっともし何かあれば朝、テレビ等でDN帝国から発表があるはずさ。アイツ等は表向きにはいい国だからマスコミの力を利用するはずだ。」
ジン「明日の朝には新聞もでる。きっと何かが書いてあるだろう。それまで我等は寝た方が良い。体力は無限ではないんじゃからな」
セヴン「ジンの言うとおりだ。今日はもう寝よう。そしてまた明日の朝ここに集合だ!」


セヴンは解散の支持をだし、ジン、レッド、オキスが寝る場所を伝える。
今のDN帝国はどうなっているのか?
ガイアはどうなっているのか?
チャインは?


『真実の冒険』が加速を始める!

このページについて
掲載日
2010年2月23日
ページ番号
278 / 310
この作品について
タイトル
真実の冒険
作者
土星(サターン)
初回掲載
週刊チャオ第107号
最終掲載
2021年6月29日
連載期間
約17年3ヵ月12日