「8章」 91話 「鬼神とDN帝国」
まさか3幻神が・・・!!
この状況の中3幻神が現れたのか!!
どうなってんだ!!
ヴォルストは心の中で自分の意思と葛藤した。
明日にはこの場を去り、次の作戦を実行に移そうとしていた矢先、最悪な事態が起きてしまった。
ヴォルストのさっきまで考えていたガイア達の仲間への鬼のような仕打ちも、今のDN兵士の話を聞いて一瞬で消えてしまった。
援軍もこちらの『DN帝国秘密基地』にはきわめて短時間の滞在であったので送ってはいない。
ヴォルスト「おい、3幻神の要求はなんだ?ここへ来たのは何らかの意味があるはずだ」
DN兵士「そっそのような感じではなく・・・・!!今外が・・!大変なことに・・!!」
ヴォルスト「大変なこと・・・・だと?」
ヴォルストは走り、外へと飛び出した。
するととんでもない光景が広がっていた。周りは炎のようなもので焼きつくされ、いろいろな倉庫や部屋の数々が黒こげになって殺伐とした状態であった。
言葉を失った・・。あまりにもひどい光景に・・・・・・・・・・・。
しかし肝心な3幻神の姿がない。
3幻神は・・・・・・真上に飛んでいた。
だが、数は一体。巨大な赤い色のダークカオスがこちらを見て羽を広げて飛んでいる。
大きな槍を持ち、まさに赤い鬼のよう・・・『鬼神』と呼ぶのに相応しい名前だ。
ヴォルスト「(相手は一人・・・・。さっきの兵士の間違えだったのだろうか?)」
ヴォルストの思考は続く。
まあ無理はないだろう。この秘密基地をたった1匹でここまで壊滅できるとは・・。
普通のチャオではあり得ない魔力だ。『火』の魔法を使うのか?
私の魔力では太刀打ちできるのだろうか・・・?いや、今はこんなことを考えている場合ではない。
どうにかしてこの状況を打破するかだ!
ヴォルスト「おい!お前たちの要求はなんだ!」
鬼神「ん?・・・ああ、下にいたのか。我に何かいったか?」
鬼神は空中から地面へと着地する。
普通のチャオより一回り大きいので着地した際の風圧がとても大きい。
だがここは総帥、動じずにただ鬼神をみつめる。
ヴォルスト「よくも我らの組織の秘密基地をここまで崩壊させてくれたな。要求はなんだ?軍事力か?軍資金か?それとも地位か?」
鬼神「は、そんなものは関係ない。我は我が主『チャイン』の命令によりここを全て破壊するように命じられただけだ。たかがチャオだが一応封印を解いた恩人だからな」
ヴォルスト「なるほどな。またアイツの仕業か。」
ヴォルストは大きな剣『ダイダロス』を取り出す。そして鬼神にその矛先を向けた。
鬼神はこの挑発に目でものすごい威圧をヴォルストに向かって返す。
たかが普通のチャオが我に刃向かうのかと言わんばかりに睨みつけだ。
鬼神「なんのつもりだ貴様。我に刃向かうのか?たかが普通のチャオが。」
ヴォルスト「たしかに私の魔力を持ってしてでもお前一人を殺すのがどれだけ無理な事かくらいわかっている。ただ・・・・私たちの軍事力は計りしれんぞ?」
『生きている兵士よ!ここに全ての兵士を終結させたり!』
ものすごい大声でヴォルストは叫んだ。
それを生きている兵士の誰かが聞きつけ、違う場所では大急ぎで準備を進める。
今目の前にはヴォルストと鬼神のみが対峙していた。
鬼神「どうやら血迷ったみたいだな。どうせお前ら全て皆殺しにする予定だった。手まが省けた。すぐにでも殺してやるよ。どうせこの崩壊を止められない雑魚どもが敵うわけないだろうが」
ヴォルスト「私の力を見くびらないでほしいな。そして我等の軍事力の強さはまとまったときに発揮する。痛い目みるのはお前だ!!!!」
DN帝国の総結集と鬼神との戦いが始まる。