「7章」 88話 「最善&絶望&希望&奇跡」
ロープが切れかかっている状態。このままでは確実に落ちてしまう。
これを打開する方法はジンが自らの技を使って3人を上昇するものであった。
ジン「(ここで我の竜巻を発生させる!)」
ジンの腕は負傷しているがここでジンは自らの魔法【風】の効力を使い竜巻を剣から発生させた。
竜巻はいっきに3人を上昇気流により空中へ飛ばした。空中へと飛ばされた3人は悲鳴をあげながら飛行船へと上陸する。
そしてロープは予想通り(竜巻の風によるものもある)引きちぎれ落ちてしまった。
レッド「はぁ・・・・・はぁ・・・・・助かった。奇跡だ・・・・・。死ぬかと思った」
オキス「ジンの竜巻がなかったら今頃岩に潰れていたな」
なによりセヴンがいなかったら自分たちは今頃生き埋め状態であったのは確実だった。
3人は満身創痍で飛行船に寝っ転がる。
助かったことにかわりはない。3人とも大きな怪我をしているが命があるだけ奇跡である。
セヴン「オキス!レッド!大丈夫か!?」
セヴンが操縦室からでてくる。
レッド「セヴン!生きていたとは思わなかった。一体忘却の森からどうやって・・」
セヴン「ああ・・・実はだな」
セヴンは自分の事情を話した。
僕は忘却の森で確かに一緒に消滅したと思われていた。だけど僕と飛行船だけはどうやらガイアとは違う場所にワープして救われたらしい。
あの時はオキスもレッドもジェノムに取り込まれていたからここにいることに驚いているよ。
とりあえずその時の飛行船を必死に直して最初に近くの町『フリージングボーゲン』へ行ったんだ。
そこでガイア達が登ることが不可能とされていた『大結晶の絶壁』に行っていることを聞いたんだ。
ここに来たときには崩壊していて驚いたよ。タイミングが本当に良かった・・・・。
オキス「本当に奇跡だな・・・。」
レッド「ああ・・・そういえばガイアはどうした!?」
ジン「しまった・・・。アイツは今大きな穴に落ちてから行方不明じゃ。アイツのことだから大丈夫だと思ったんだが・・・・・・」
3人は大きくため息をついた。
ガイアがドラゴと戦っていたことも知らない。ガイアには死という言葉しかなかった。
なんという不覚・・・・・・絶望という言葉が頭の中によぎるが、それを表に言葉としてだすわけにはいかなかった。
セヴンには自分たちがジェノムに取り込まれてから助かり、ここまでの状況を話した。
セヴン「3幻神・・あの世界を滅ぼした幻のチャオか。きっと今DN帝国にとっても大変危険な状況なのは変わらない。そしてレイズと他の仲間も全員今DN帝国につかまっているのか・・・・・・・。今からではガイアを助けることはほぼ不可能。最悪だ・・・・・。」
セヴンは少し黙ったがすぐさま今やるべきことを考え、オキスとレッドとジンに話す。
今の僕たちの状況は最悪に等しい。今からいきなりDN帝国に突っ込んで仲間たちを助けることはほぼ不可能だ。
体力もほとんど残っていない。もちろんガイアの救出も不可能だ。奇跡を祈るしかない。
ここでの最善策は体力を完全回復して作戦を作ってから行くべき。
いったん僕の故郷『カタストロフ』へ戻ろう。武器もたくさんあるし食料も多々ある。
DN帝国はきっとメディアを利用して何らかの報道を確実にする。
3幻神を相手にするのはもっと大きな力が必要になってくる。
これが僕の考えだ。どうだろうか?
セヴンの考えに異論はなかった。
今は大きな絶望。だがここであきらめてはいけない。
本当の戦いはこれからなのである。
「7章」完 「8章」へ続く・・・・。