「7章」 86話 「助かる術」
セヴン「はやくつかまるんだ!!はやく!」
セヴンは自分の飛行艇を下に下降させながらロープをたらした。
ロープは風にあおられオキスのところまでくる。
オキス「ロープだ!だれだかわからないが助かるのか!?・・・・・・・・くそ!縄がほどけねぇ!こんな縄は槍があれば斬れるのに!」
オキスは体を死に物狂いで動かすが縄はほどけない。
今でも内部の崩壊はどんどん大きくなっていく。このままではセヴンの助けも無駄になってしまう。
目の前に助けの縄があるのにつかめない辛さはどのようなものなのだろうか。
この状況の中ジンが自分の刀『鳳龍刀』を見つける。そして体を這いつくばってまで地面に体をひきずらせながら動く。
ジン「我の刀があればこんな縄・・・・・!!」
ジンはボロボロになりながらも刀の場所までたどり着く。が、もはや体力の限界。縄を自力でほどける力はなかった。刀の場所までたどりついても刀を利用できなければ意味がない。
もはや3人とも気力をもつので精いっぱい。
セヴンは飛行艇からのぞいて叫んでいるだけで下の状況はわからない。
むしろさっき呼び掛けた声など飛行艇のエンジン音で聞こえるわけがない。
ただ姿を見ているだけではだめ!上からみていてはオキス・レッド・ジンがロープに縛られているのさえわからない。
ロープに上ってこないのを不思議に思ったセヴンは飛行艇の操縦を一旦オートにして自らロープをもち、少しずつ下に降りていく。
ここでやっとオキス・ジン・レッドが縄に縛られ疲労困憊の状態を目の当たりにする。
セヴン「(まさか縄でしばられていたとは・・・・!!)」
セヴンは下を見ながら唖然とした。
このまま下に行けば縄をほどいて助けることができる。しかし内部が完全に崩壊するのは時間の問題!距離は約5Mはある(チャオの大きさからだとだいぶ長い)
たとえ3人を助けたとしてもロープで上ってくる間に完全に生き埋め状態になってしまう。
それだけ時間はないのだ。
ジン「・・・・あれは・・・・・セヴンか・・・・?」
力がほどんど残っていないジンはぼそりとつぶやいた。
目の前は少しずつかすんでいった。だがこれは唯一の助かる希望。
そして頭の中に助かるための案がジンの中に1つ浮かんだ。
最後の声をふりしぼりこう叫んだ。
ジン「セヴン!我を銃で乱射して撃て!そうすれば縄は切れよう!死にはしない!それが唯一助かる方法じゃ!」
87話へ続く。