最終話「いつか、君の為に」・前編
お約束通り、敵を全滅させた主人公一行。
まずは、魔術学校のある街に戻りました。
魔術師狂想曲(マジシャン・ラプソディ)・最終話(24話)「いつか、君の為に」
【トリシャ】「久しぶりね・・・」
【ゲオルグ】「そんなに日にち経ってないけどな・・・ま、戦い続きだったからなぁ。」
街は変わらず、いつもの活気。
【サヴィエ】「そういえば、バーミリオン全滅の報は入っているのでしょうか・・・でないと、街の人々は・・・」
あの大会の表彰式での突然の「宣言」で、街は混乱に陥りました。
いつ連中が攻めてくるのか。逃げ出す人も、かなりいました。
【村井】「それなら、心配ないんじゃない?・・・ほら。」
と、道に落ちていた紙を拾いました。
そこには、バーミリオン壊滅を知らせるビラのようなものが。
【川島】「なるほどね・・・」
そんな中、突然この人が声を上げました。
【高野】「あたしは・・・あたしはどうすればいいのよっ!」
高野千佳と、ドルチェ=ステシオ。
地下基地の戦いで木更津ペアに敗れた後、一行に連行されるようにしてここまで来ました。
よく考えれば高野ペア、あの時の「宣言」で、顔を出してしまっています。
そして、似顔絵のようなものは、魔術界じゅうに出回っていました。
・・・つまり、世界中に自分の顔が出回ってしまっているのです。普通に暮らせるはずがありません。
【牧原】「確かに・・・ここまで来ると気の毒やな・・・」
【神野】「あたしらがかくまうってのも限界があるだろうし・・・」
しばらく、みんなで考え込みます。
【木更津】「・・・そうだ!」
【ヴァレイユ】「どしたの?」
名案を思いついたのは、木更津でした。
【木更津】「千佳とドルチェをさ、かくかくじかじか・・・」
【神楽坂】「なるほど!その手があったか!」
【ドルチェ】「確かに、それなら良さそうね・・・」
【高野】「ええ・・・なんというか、さすが香織ね・・・」
どうやら、ピッタリの名案があったようです。
そして一行は、木更津の家に到着しました。そう、「扉」がある場所。
【川島】「ここでお別れね・・・」
【木更津】「また、互いに遊びに行こうよ!」
【サララ】「ええ、そうですね!」
【永川】「しかし・・・まさか君たちが森野ペアを倒すとはね・・・」
【神野】「世の中、そんなもんでしょ。慶十郎に強い奴全員倒されたらたまんないわよ。」
【永川】「僕はそういう事を言ってるんじゃなくて・・・」
【神楽坂】「とにかく、色々とありがとうございました。」
【サリア】「いえいえ、とんでもありません。」
とりあえず、挨拶。
そして、扉に手をかけました。
【木更津】「またねーっ!!」
互いに手を振り、扉をくぐりました。
扉を抜けた神楽坂と川島は、ゆっくりと扉を閉めました。
そこは、真っ暗な洞窟。
【神楽坂】「うわっ、見えない!」
【川島】「なんか明かりっぽいの持ってなかったっけ!?」
【神楽坂】「ケータイは!?」
【川島】「電池切れよ!半月以上向こうにいたんだし!」
いくらフル充電で何もいじらなくても、10日もすれば電池切れになってしまいます。
【神楽坂】「使うワケないんだから電源切っとけよ!」
【川島】「そういうアンタこそ電池切れのくせに!」
【神楽坂】「うるせぇ!」
・・・なんだか大変そうです。
一方、魔術界。
【牧原】「行ったな・・・」
【神野】「ええ・・・」
そして、このペア。
【サリア】「そういえばケイ、千紗に会ったって言ってましたね・・・元気そうでしたか?」
【永川】「ああ、よろしく、とも言ってたな・・・」
いえ、正確には「頼みます」なんですけど。所詮は伝言ゲームでしょうか。
【サリア】「なら、良かったです・・・」
【永川】「でも・・・やっぱりあれば、僕の幻覚だと思う・・・」
【サリア】「それでも、いいんです。それが結果的に、ケイを勝たせたんでしょう?」
【永川】「ああ・・・」
いえいえ、幻覚なんかじゃありませんよ。ちゃんと私は現れましたし。
・・・数日後、慶十郎とサリアは、正式なパートナー契約を結んだそうです。
さて、こちらは。
【サララ】「あ!光が見えました!」
【カナル】「っしゃあ!」
カナルが真っ先に外へ。
【神楽坂】「あ、ちょっと待・・・うわぁっ!」
追おうとした神楽坂、洞窟の石につまづいて転んでしまいました。
【神楽坂】「痛・・・」
【川島】「・・・何やってんのよ・・・」
とにかく、外に出ました。
見えるのは、チャトル大学付属高校の校庭。
【神楽坂】「なんか、あれ見ると、帰ってきたんだな、って感じするな・・・」
【川島】「ええ・・・」
ちょうど、ルーティア嬢のヘリが、屋上の特設ヘリポートから飛び立つところでした。
<中編に続く>