第21話「神に届く、希望(のぞみ)」・後編
第21話・後編
牧原ペア対アインツの戦いは、地属性であるアインツとゲオルグが一歩も動かずに魔術勝負を繰り広げ、それを牧原が(動かずに)援護をする形。
【牧原】「おや・・・?あんさんの仲間、消えはったようやけど・・・?」
ガナーシュが神野に消された時、牧原はまだ一歩も動いてませんでした。
【牧原】(しかし、なんちゅー女や・・・)
【アインツ】「あの野郎のことだ、どうせ油断したんだろう・・・
オレが後であの神野ってペアもぶっ潰す!!」
しかし、アインツは動揺する素振りすら見せません。
ところが。
【ゲオルグ】「その意気、いつまでもつんだろうねぇ・・・?」
【アインツ】「どういう意味だ・・・?」
【牧原】「分からんかなぁ・・・神野はんが回復したっちゅーことは、ワイらもそろそろってコトや・・・」
【アインツ】「!?」
気がつけば、牧原はアインツの真後ろに回りこんでいました。
【牧原】「ヴォルティックブラストぉっ!!」
【アインツ】「ぐはぁっ!!」
牧原の一撃。形勢逆転です。
こうなれば、あとはあの必殺コンボ。17話で神野相手には失敗しましたが、今のアインツ相手に失敗する理由はありません。
【ゲオルグ】「グラウンド・ポール!」
と、牧原がそれに乗って、ある程度の高さまで来たら飛び降ります。そして。
【牧原】「サンダーナックル・・・インパクトぉぉぉっ!!!」
【アインツ】「ぐわあああぁぁぁぁっ!!!」
・・・アインツは、跡形もなく消し飛んでいました。
【牧原】「村井はーん!そっちはどないやー?」
【村井】「ったく、あたしらだけまだなのをいい事に・・・」
って訳で村井ペア。こっちもクレーベルに対し苦戦しています。
【クレーベル】「確かに他の2組は勝ったようですが・・・僕は油断しませんよ・・・?
いくら貴方たちの体力が戻っても、無駄です・・・」
クレーベルはクレーベルで、勝算がありました。
【クレーベル】「大会、見させて頂きました・・・技術界にはビデオという便利なものがありますからねぇ・・・
もちろん知ってますよ・・・?貴方たちの、『舞』の弱点を・・・」
・・・ですが、村井ペアには、それを上回る自信が。
【サヴィエ】「結構な自信のようですね・・・そうであれば、もちろん夢浮橋もご覧になりましたよね・・・?」
【クレーベル】「もちろんです・・・あれは未完成・・・弱点もちゃんと把握しています・・・」
【サヴィエ】「それは結構・・・ですが、あれからおよそ1週間・・・何もしてないと、お思いですか・・・?」
【クレーベル】「どういう事です・・・?」
村井ペアは答える代わりに、構えました。
【クレーベル】「!?ま、まさか!?」
【村井】「ええ、完成したんだよね、あれ。」
【クレーベル】「ちょ、ちょっと待ちたまえ!そんな・・・」
【村井&サヴィエ】「舞の三十六番、夢浮橋!!」
【クレーベル】「ぎゃあああぁぁぁぁ・・・・・」
・・・結果は、言うまでもありません。
主人公とヒロイン。
再び、大広間のような場所に出ました。
【カナル】「おい、この部屋どうなってるんだよ!?」
その部屋は、シャンデリアが吊るされた、豪華な一室。
【サララ】「でも、誰もいないみたいですね・・・」
【川島】「しっ!」
川島が、サララを止めました。
【神楽坂】「どうしたんですか?」
【川島】「なんかよく分からないけど・・・視線を、感じてる・・・」
すると。
【男】「ご名答。・・・さすがここまで来ただけあるね・・・」
【チャオ】「ほう、その服装は・・・技術界の人間か。実に無謀で滑稽だ・・・」
男のペアが、奥から現れました。ですが、彼らに見覚えはありません。
【神楽坂】「誰だ!?」
【男】「そうだね、名前ぐらいは名乗っておこうか・・・
私がバーミリオン総帥、森野夕夜だ・・・」
【チャオ】「そのパートナー、キンブリー=アルディオス!!」
・・・そう、言ってしまえばラスボスです。
続く