第14話「刃と、銃」・前編
雨の木更津家周辺で、いきなりバトル開始です。
【カナル】「っしゃ、俺たちも行くぜっ!」
・・・とカナルも突っ込もうとした瞬間、神楽坂の手がカナルの頭をポンと叩きました。
【カナル】「啓、何するんだよ。行かねぇのか?」
【神楽坂】「・・・なぁ、火属性のお前がさ、この天気で戦えると思うか?」
・・・何度も言います。雨です。
魔術師狂想曲(マジシャン・ラプソディ)・第14話「刃と、銃」
【神楽坂】「・・・という訳で、残念だけど俺たちは撤収。」
と、カナルを引っ張って、家の中へと戻っていこうとします。
【川島】「ちょっとぉっ!何で戻るのよっ!」
それを見た川島が叫びます。
【神楽坂】「雨じゃコイツ戦えないし!」
【川島】「だったらコレ使いなさいよ!というか神楽坂は普通に戦えるでしょ!?」
と、拳銃を指して言いました。
【神楽坂】「分かった、取ってくる!」
と、木更津の家に戻りました。川島が持ってきたたくさんの拳銃は、まだ家の中です。
【川島】「・・・ま、水のあたしにとっちゃ関係ないんだけどさ・・・ブルースクィードっ!」
【サララ】「嵐になったら、私はどうしましょうか・・・スクリューウィンド!」
・・・などと喋りながら次々と敵をなぎ倒すあたり、とても久しぶりの魔術戦とは思えません。
【木更津】「アイスキューブ!・・・うーん、雨だと威力落ちるなぁ・・・」
【ヴァレイユ】「あたしも軌道が乱れて上手く当たらない・・・」
こちらは少々苦戦気味。しかし、ザコ兵士の敵ではありません。
【サリア】「スプリット・フィールドっ!」
【永川】「サリア、そっちを頼む!」
【サリア】「ええ!」
・・・問題ナシ。
【村井】「・・・おっと、読者の皆さんには初披露か・・・サヴィエ、下がってて。」
【サヴィエ】「ええ・・・」
村井がそう言うと、サヴィエは少し下がりました。
途端に、敵の兵士が村井を囲みます。
【村井】「ま、三番程度で十分か・・・」
と、魔術で短刀を作ると、
【村井】「・・・舞の三番、空蝉(うつせみ)っ!」
次の瞬間、村井は兵士の包囲網の外。
そして、囲んでいた兵士は、次々と血を流しながら倒れていきました。
拳銃を取って家から出てきた神楽坂とカナルは、それを偶然見ていました。
【神楽坂】「う、うそ・・・」
【カナル】「あれが、『乱斬りトモコ』かよ・・・」
その強さに、ただただ驚くばかり。
そこに、サヴィエが。
【サヴィエ】「・・・驚きました?」
【神楽坂】「も、もちろん・・・」
【サヴィエ】「朋子の戦いは、技を使った『舞』を使うんです。
その数は、36種類。代々、村井家はこの『舞』を使い戦う一族なんです。」
【カナル】「へぇ・・・」
【サヴィエ】「強い『舞』になると、私も協力するんです。
パートナーで協力して強力な技を編み出すペアは色々いますけど、こういう戦い方をするのは自分たちだけだと思います。」
【神楽坂】「そうなんだ・・・っと、レイグラディウスっ!」
背後から襲ってきた敵に対し、素早く剣を抜き斬りつけました。トドメは、カナルが拳銃で1発。
それを見てたサヴィエは一言。
【サヴィエ】「やりますね、神楽坂くん・・・」
【神楽坂】「いえ、そんなんでもないです・・・」
【サヴィエ】「・・・おっと、それでは私は朋子のところに戻ります。」
そう言うと、戻っていきました。
【神楽坂】「んじゃ、援護よろしくっ!」
【カナル】「ちっ、援護かよ・・・」
しかし、拳銃1つで詰め寄るにはリスクが大きすぎます。今は援護に徹するしかありません。
・・・そんなこんなで戦っているうちに、気がつくと木更津家の裏側。
【神楽坂】「ふぅ、大分片付いたな・・・」
・・・と、そこに、1匹の異様な雰囲気を放つ男のチャオが。
【チャオ】「ふぅん・・・見慣れない顔に服装・・・ひょっとして技術界?」
【カナル】「てめぇ、何者だっ!」
【チャオ】「僕かい?・・・SEVENTH HEAVEN、クレーベル=ゼムリャ・・・って言っても分かんないかなぁ。」
なんと、彼こそが4匹目のSEVENTH HEAVEN。今回の木更津家奇襲の指揮をしていたのです。
【神楽坂】「せ、SEVENTH HEAVEN・・・っ!?」
当然、驚きます。
【クレーベル】「あれ、話、通じる?・・・それはそれで困ったねぇ・・・
まぁいいや。あの永川って男に連れられて、こっちに来たんだろ?」
【神楽坂】「正確には、呼ばれたんだけど・・・」
神楽坂がとりあえず答えます。
【カナル】「っておい、敵の質問にマトモに答える気かよ!?」
【神楽坂】「だからどうなるってものでもないだろうし。」
するといきなりクレーベルは、神楽坂に近寄り、
【クレーベル】「いいねぇ・・・少年らしい瞳だ・・・ただ、僕はこういうのが・・・嫌いでねぇっ!!」
それは一見、囁いてたようにも見えますが、違います。
いきなり目の前で魔術を使い剣を作ると、神楽坂を斬りつけました。
【カナル】「啓っ!」
<中編に続く>