第13話「その後を、追って」・中編
第13話・中編。
2組は裏山を駆け上がり、洞窟の前へ。
そこには、永川ペアが立っていました。
【永川】「やぁ、久しぶり。」
【サララ】「今度こそ、倒したんですか?」
【サリア】「それが、残念ながら、また違うんです・・・」
・・・一度あることは二度あるのでしょうか。ともかく。
【川島】「そういえば、香織ちゃんは?」
【サリア】「扉の向こうで待ってます。今回はこっちへ来る必要もないので。」
【神楽坂】「また、何か大事なものがこっちにある、とかですか?」
【永川】「いいや、今度はそうじゃないんだ。君達にちょっと協力して欲しいんだ・・・」
【カナル】「協力?」
そして永川は、魔術界であったことを、話しはじめました。
魔術界に戻った後、やはりバーミリオンの調査や戦闘を続けていた永川ペア。
しかし、その途中で、あるとんでもない計画を、永川は知ってしまったのです。
【神楽坂】「とんでもない・・・計画?」
【永川】「ああ・・・
技術界の技術を使って、魔術界を征服する・・・!」
2組に、衝撃が走りました。
【カナル】「な、なんだってぇ!?」
【川島】「いくら魔術師でも・・・そんなのに勝てる訳ないじゃない!!」
確かに、技術界の技術を使えば、魔術なんか敵ではありません。
【永川】「アインツがこっちに来たのは、そのための準備も兼ねていたんだ・・・」
【神楽坂】「でも、アインツってチャオは、確か基地の爆発で・・・」
【永川】「いや、死んでない。この前、遠巻きに見た・・・あれは、間違いない・・・」
またまた衝撃。
【サリア】「恐らく、近くに魔術界への「扉」があったのでしょう・・・でなければ、あれ程あっさりと・・・」
【神楽坂】「それじゃあ、あの横山っていうチャトル大学の元教授も・・・!?」
【永川】「ああ、僕は顔を知らないから分からないけど、多分あっちに逃げて、まだ生きてる。
たぶん、彼の協力で、技術界の技術を使うつもりなんだ・・・!」
これで、ようやく繋がりました。アインツの技術界行きは、コバルトポール奪取と、技術界の技術の取り込みを狙った戦略だったのです。
(結果的にコバルトポール奪取は失敗しましたが)
【永川】「そこで、君達に、技術界の技術を僕の仲間に教えて欲しいんだ・・・
もちろん、武器の威力も全く違う。普通に戦えば、絶対負ける。
だけど、知らないのと知っているのとでは、それだけでも違うと思うんだ。」
【川島】「つまり、魔術界へ?」
【サリア】「ええ、そうなります・・・」
これが、永川の提案です。
【神楽坂】「・・・どうする?カナル。」
【カナル】「・・・行くしかねぇだろ。
というか、俺にその質問をする時点で答えは決まってるぞ?」
【神楽坂】「いや、それは分かってんだけど、一応。」
・・・とりあえず、決定です。
【川島】「それじゃ、2時間くらい待ってて!準備してくる!」
そう言うと川島は、裏山を勢いよく駆け下りていきました。
【サララ】(私、まだ何も言ってないんですが・・・)
しかし、ついていくしかありません。サララも後を追います。
神楽坂ペアも、永川ペアに挨拶をして、裏山を下りていきました。
【永川】「それじゃ、木更津さんの家で待つか・・・」
【サリア】「そうですね・・・」
川島は、家へ戻る途中、メールを打っています。
【サララ】「誰に送っているのですか?」
【川島】「リネージュ先輩よ。ちょっと、お願いがあってね。」
と、送信ボタンを押しました。
【ルーティア】「あ!メールだ!・・・なになに、ふむふむ。分かったわ!」
メールを受け取ったルーティア嬢は、自分の会社に電話をかけ、ある指令を出しました。
それから、1時間後。
川島が支度をして、家から出ると、玄関先にダンボール箱が1つ。
【サララ】「これ、何でしょう?」
【川島】「どれどれ、リネージュ財団・・・これよ、これ!サララ、中身をリュックに入れるの手伝って!」
【サララ】「は、はい・・・」
どうやら、メールでお願いしていたもののようです。
こうして2時間後、神楽坂ペアも川島ペアも、裏山の洞窟の前に到着しました。
【神楽坂】「また、随分と大荷物ですね・・・」
【川島】「まぁね。何が入ってるかは、向こうで見せてあげるわ。
・・・それじゃ、行くわよ!」
そう言うと、洞窟へ。一気に奥まで進み、扉を思いっきり開きました。
<後編へ続く>