第12話「瞳の、向こうに」・後編

第12話・後編


あの騒ぎの翌日、月曜日。
【川島】「はぁ・・・マジでだるい・・・」
【神楽坂】「同じく・・・」
【川島】「いい、神楽坂。
     2人で疲れてるとまた「ドコにデート行ってたんだ」って勘違いされるわ。今日は絶対一緒に行動しないわよ!」
【神楽坂】「最初からしたくありません・・・」
普段から、学校内ではあまり一緒には行動しません。一緒にいればいる程勘違いされます。


さて、休み時間。
川島ペアが一組で廊下を歩いていると、目の前にルーティア嬢が。
【川島】「あ、先輩!昨日はありがとうございます!」
【ルーティア】「こんにちは!
        ・・・あ、そうだ!」
彼女が携帯電話を取り出し、いくつかボタンを押すと、川島の携帯電話にメールが。
その画面には、電話番号とメールアドレスが書いてありました。

【川島】「先輩、これは・・・?」
【ルーティア】「あたしのアドレス。今までのお礼に、教えてあげる!
        何かあったら、いつでも連絡していいよ☆」
【川島】「い、いいんですか!?」
驚く川島。彼女のプライベートの携帯電話のアドレスを知っている人なんて、世界に数える程しかいません。
(仕事用ならば、ある程度知ってる人もいますが)

【ルーティア】「うん、あ、それともう1つ!
        ・・・今夜、学校の正門の前に来て!なんでかは、メールで言うから!」
そう言うと、彼女はそのまま廊下を歩いていきました。
【川島】「アドレスまで・・・貰っちゃった・・・」
【サララ】「にしても、今夜の用事って、何でしょう・・・?」

その理由はおよそ1時間後、メールで分かりました。


で、その夜。
【神楽坂】「なんで俺たちまで・・・?」
【川島】「いいから!」
引っ張られたペアが1組。

そこに、ルーティア嬢のリムジンが。
降りてきたのは、ルーティア嬢と、木更津ペア、永川ペア。
【永川】「コバルトポールも解決したし、帰ることにするよ。」
【神楽坂】「あ、そういう事だったんですか・・・」
『扉』は高校の裏山。昼間に帰ることはできません。

【木更津】「でも、面白かった・・・向こうが平和になったら、また遊びに来てもいい?」
【川島】「もちろん、歓迎するわ。でも、いきなり校庭まで出るのはやめてね・・・」
【ルーティア】「あ、それなら大丈夫だよっ☆」
【サララ】「先輩、どういう事ですか?」
【ルーティア】「とりあえず、ついてきて!」
と、全員、ルーティア嬢についていくことに。

着いたのは、「扉」がある洞窟の前。
【ルーティア】「昨日の夜のうちに、機械をセットしておいたの!
        ここのボタンを押せば、川島さんの携帯電話に空メールが届く仕組みになってるの。」
と、洞窟の近くにあるボタンを指しました。
【川島】「あ、あたしのケータイに?」
【ルーティア】「うん。メールが来たら、時間をとって来ればいいし、
        あたしに連絡してくれれば学校から脱出させてあげるから!」
【川島】「そ、そこまで・・・ありがとうございます!」

【サリア】「では、これで失礼します・・・」
【神楽坂】「頑張って、バーミリオンを倒して下さい!」
【永川】「うん、今度こそ、全員倒す。」
そう言い残し、木更津ペアと永川ペアは、洞窟へと消えました。

【カナル】「ふぅ・・・今度こそ、終わった・・・よな?」
【神楽坂】「まだ、終わんない気がする・・・最終回じゃないみたいだし。」
【川島】「・・・そういう問題?」
ゆっくり、山を降りながら話します。

そして、校庭を横切っていた、その時。

【神楽坂】「!?」
突然、光を感じ、神楽坂は目を隠しました。

【川島】「い・・・岩井先生!?」
そこにいたのは、懐中電灯を持って見回りをしていた、岩井先生。
【岩井先生】「ラブラブカップルとルーティアさん・・・何やってんの?」
【川島】「ラブラブじゃありませんっ!」

・・・しかし、なぜここにいたのか事情を説明するのに一苦労したとかしないとか。


             魔術師狂想曲(マジシャン・ラプソディ) 第2部・完

このページについて
掲載号
週刊チャオ第194号
ページ番号
37 / 78
この作品について
タイトル
魔術師狂想曲(マジシャン・ラプソディ)
作者
ホップスター
初回掲載
週刊チャオ第182号
最終掲載
週刊チャオ第227号
連載期間
約10ヵ月12日