第12話「瞳の、向こうに」・中編

第12話・中編


【ルーティア】「あ!川島さんペアと木更津さんペアだ!おーい!」
戦闘機のコクピットから、2組が走ってくるのが見えました。呼びます。

【川島】「コバルトポール、確保したわ。オッケーよ!」
2組が乗り込むと、ハッチが閉まり、戦闘機は助走を開始。すぐ後に、飛び上がりました。


それから数十秒後、基地は大爆発。・・・まぁ、お約束です。


【木更津】「ところで、コバルトポール、どうするんですか?
      やっぱり、投げ捨てるんですか?」
【永川】「そうだね・・・海なら、探せないだろうし・・・」

帰りの戦闘機。コバルトポールの処置について相談をします。
【ルーティア】「そろそろミスティックルーインに着いちゃうから、捨てるんなら今のうちだよ?」
【木更津】「それじゃあ・・・ハッチ、お願いします!」
     (あたしが持ってても、どうかしそう・・・やっぱり、こんなの、あっちゃいけないんだ・・・)
【ルーティア】「はい!」

ハッチが、開きます。
【木更津】「えいっ!」
今度は、木更津が思いっきり投げました。

【木更津】「あっ、陸の方に投げちゃった!大丈夫かなぁ?」
【永川】「もし陸でも、よっぽどの事がない限り、大丈夫だと思うよ。」



さて、ここはミスティックルーインの一角。1匹のチャオが、歩いています。
チャオの名前はタキオン。週チャオが生んだ最強キャラクター、伝説の「ダサチャオ」です。

【タキオン】「さ~てと、今夜のテレビは何があったかな~っと。」

ちなみに、紀流院とは、一応双子。
なぜ兄弟でこうも違うのか、については、深い理由があるのですが、それは省略。
一応奥さんもいて子供も3匹いるのですが、今はただのぐーたらダサおやぢです。

さて、そんなタキオンが、ミスティックルーインの海岸近くにある自宅の前に着きました。
すると、空から、何やら棒のようなものが落ちてきます。
なんとそれはさっき木更津が投げ捨てたコバルトポールだったりするのですが、そんな事タキオンが知る由もありません。

【タキオン】「・・・なんだ?」
首を傾げるタキオン。ところが次の瞬間、もう1つ、あるものが視界に入りました。

・・・きょうじゅがさっき放ったミサイルです。ルーティア嬢を追跡するはずなのに、大外れ。所詮はきょうじゅです。
そのミサイルの先端が、コバルトポールに触れました。

ミサイルの先端に何かが触れたら、センサーが着地したものだと作動し、信管が動きます。
そうなると、当然。

タキオンの目の前で、大爆発。

【タキオン】「な、なんだ~!?」
驚くタキオン。

煙が収まった時には、タキオンの家は跡形もなく吹き飛んでいました。

【タキオン】「あ、家が・・・」

そこに、何も知らないタキオンの家族が買い物から帰ってきました。
【マッハ】「あなた、ただ・・・な、何が起こったの!?」
タキオンの妻、マッハ。しっかり者です。

【タキオン】「ち、違うんだ!父さんがここに着いたら、いきなりドッカーンって・・・」
【プロン】「嘘じゃねぇの?どうせ何か変なコトやろうとして全部ブッ壊したとか、そんなんじゃないの?」
長女、プロン。高校生。死語に近いですが「コギャル」という言葉が最適。

【ルーキ】「俺もそれに一票だな。」
長男、ルーキ。小学生。サッカーが好きな普通の小学生です。

【バーブ】「バブー、バブー。」
次男、バーブ。まだ赤ちゃんです。

【マッハ】「そうよ!どうせあなたが壊したんでしょう!
      あ~な~た~・・・」
さぁ大変。怒りモード全開です。
【タキオン】「だから、違うんだってば~!」
いくら違おうが、この状況では関係ありません。

【マッハ】「いくらローンが残ってるか分かってんの~っ!!!」
マッハ、パンチを一撃。

【タキオン】「あ~れ~・・・」
タキオンはきれいな曲線を描いて、空に消えていきました。


【ロルフィーヌ】「・・・なぁ、これで良かったのか?」
【紀流院】「ルーティアちゃんがミサイルの直撃受けるより、マシだろ・・・」

その様子を、2匹は遠くから見ていました。結局、無駄足。
しかしなぜか2匹は、すがすがしい気分でした。恐らく、タキオンが吹き飛んだからでしょう。

そしてそのまま、2匹は歩いて帰っていきました。
【ロルフィーヌ】「しかし、疑問なのだが・・・」
【紀流院】「なんだ?」
【ロルフィーヌ】「あんなダサチャオのボロ家に、ローンなんてあるのか?」
【紀流院】「さぁ?」


あ、ちなみに、ミサイルの爆発でコバルトポールも粉々になったそうです。

<後編に続く>

このページについて
掲載号
週刊チャオ第194号
ページ番号
36 / 78
この作品について
タイトル
魔術師狂想曲(マジシャン・ラプソディ)
作者
ホップスター
初回掲載
週刊チャオ第182号
最終掲載
週刊チャオ第227号
連載期間
約10ヵ月12日