第9話「光の華が、咲く」・中編

第9話・中編


【木更津】「アイスキューブっ!」
【ヴァレイユ】「サンダークラッカーっ!」

木更津ペアも攻撃開始。しかし強風の中、なかなか狙いが定まらず、当たりません。

【永川】「逆に狙わないほうがいい・・・こういう状況下だと、狙いすぎると外れるから。」
【木更津】「あ、ありがとうございます!」

そして、ようやく木更津ペアも1機撃墜。

【川島】「先輩、来ます!」
【ルーティア】「おっと!」

ルーティア嬢の天才的な操縦技術で、次々と敵の弾幕をかわしていきます。

【ルーティア】「でも、アクロバットができないから、結構難しいな・・・」

・・・アクロバットなんかやっちゃいけません。全員落下します。ハッチ開けっ放しですし。

しかし、それでも急旋回なんかはしょっちゅう。
【神楽坂】「う、うわああぁっ!?」
バランスを崩して落ちそうになりますが、カナルが止めました。
【カナル】「おい、大丈夫かよ・・・」
【神楽坂】「・・・というより、酔いそう・・・」
確かに、これだけ動きまくれば、普段酔わない人でも酔います。


【ルーティア】「戦況は・・・大丈夫かな?」
戦闘機を操縦しながら、やや優勢と判断しました。というか、ルーティア+きょうじゅの連合軍が負けないはずありません。

【ルーティア】「にしても、何の目的で、きょうじゅの家を攻撃するんだろ・・・」
しかし、この疑問は、なかなか解けませんでした。
【ルーティア】(最近はきょうじゅも割とおとなしかったし、攻撃される理由なんかないはずなんだけどなぁ・・・)
そう考えながら、次々と弾幕をかわしていきます。

【神楽坂】「あの、先輩、俺はこういうの、よく分かんないんですけど・・・」
神楽坂が、何か可能性を思いついたようです。
【ルーティア】「なに?言ってみていいよ?」
【神楽坂】「ひょっとすると、陽動、じゃないんですか?本来の目的は、別のところにあるとか・・・」
【ルーティア】「なるほどね・・・でも、まだ別のところが攻撃されたって話は聞いてないし・・・」
【神楽坂】「そうですか・・ごめんなさい・・・」
・・・ところが。
【ルーティア】「ん?ちょっと待って!?・・・あ、ひょっとしたらそうかもっ!」
ある可能性に、気づきました。
【ルーティア】「ごめん、みんな!降りるわ!座って!」
【木更津】「えっ!?」
【永川】「分かったっ!」

戸惑いながらも攻撃をストップし、座った木更津ペアと永川ペア。
ハッチが閉まった次の瞬間、戦闘機は一気に高度を下げ、やっぱり住宅街に強行着陸しました。

【川島】「せ、先輩、どうしたんですか!?」
【ルーティア】「可能性はそんなに高くないけど・・・ひょっとしたら!」
ハッチを開けると、彼女は何も言わずに飛び降り、急いで走っていきました。

【川島】「アンタ、先輩に何を言ったのよ!?」
【神楽坂】「いやだから、ただ陽動じゃないんですか、ってだけ・・・」
【川島】「とにかく、追ってみるわよ!サララ、いいね!」
【サララ】「ええ!」
そう言うと、神楽坂を引っ張るように走りだしました。

【木更津】「・・・先輩、どうしますか?」
【永川】「僕達も行ってみよう・・・」
木更津ペア、永川ペアも追います。

ルーティア嬢が向かったのは、きょうじゅの家。
【サララ】「きょうじゅの、家?」
後を追うように入ります。ちなみに、きょうじゅは庭でミサイルを撃ちまくっており、家の中は無人です。

【ルーティア】「確か、こっち・・・」
と、走っていき、ある部屋の前へ。
【ルーティア】「そう、この部屋っ!」
ドアを開けると、そこには・・・

【ルーティア】「・・・しまった!やっぱり!」

【川島】「どうしたんですか!?」
そこに、川島ペアと神楽坂ペアが到着します。
【ルーティア】「やっぱり、そうだったんだ・・・」
【神楽坂】「この部屋・・・まさか!?」

【ルーティア】「・・・うん、コバルトポールが、盗まれた・・・」

<後編に続く>

このページについて
掲載号
週刊チャオ第191号
ページ番号
27 / 78
この作品について
タイトル
魔術師狂想曲(マジシャン・ラプソディ)
作者
ホップスター
初回掲載
週刊チャオ第182号
最終掲載
週刊チャオ第227号
連載期間
約10ヵ月12日