第９話「光の華が、咲く」・前編

きょうじゅ宅に響いた、謎の轟音。
【川島】「な、何が起きたのよ！？」
全員、慌てて外へと飛び出しました。
そこで、彼らが見たものとは。


魔術師狂想曲（マジシャン・ラプソディ）　第９話「光の華が、咲く」


【神楽坂】「きょうじゅの家が・・・」
【カナル】「攻撃されてる・・・？」

いくつもの戦闘機が、爆撃をしてます。
【きょうじゅ】「なんじゃ～っ！？出会え出会え～っ！！」
しかし、なんといってもきょうじゅ。すぐにあちこちからミサイルが飛び出し、迎撃。
あっという間に、住宅街が戦場になりました。

【永川】「これが・・・技術界の戦い？」
【川島】「まぁ、そんなもんね・・・」
その様子を、ただ見学するだけの主人公たち。

【ルーティア】「この戦闘機・・・機種はＧＵＮのものみたいだけど、所属は不明・・・」
彼女はとっさに状況を判断し、
【ルーティア】「なるべく事を荒立てないようにと思ったのに・・・きょうじゅに味方した方が良さそうね・・・」
携帯電話を取り出すと、
【ルーティア】「じいや、至急軍隊を向島邸へ！謎の戦闘機を蹴散らして！」
そう連絡しました。

前回の最後に少し触れましたが、彼女は私設軍隊という普通ありえない組織を持っています。
小さい国なら軽く潰せるだけの力を持っていて、ルーティア嬢の指示で自由に動かせるのです。


【木更津】「ど、どうするの！？」
【ヴァレイユ】「香織、落ち着いて！」
【神楽坂】「とりあえず、安全なところへ！」
【木更津】「で、でも、あたし達魔術師だし、何かできないの？」
【川島】「いや、無理よ。・・・あっちの世界とは、戦法も武器も違いすぎるわ・・・」
確かに、魔術が幅を効かす魔術界と、ミサイルやら機関銃やらの技術界とでは訳が違います。

という訳で、４組は安全な物陰へ。
そこにルーティア嬢の私設軍隊が到着し、一気に大乱戦へとなりました。

【カナル】「でも、もったいなくねぇか？」
【神楽坂】「ん？何が？」
【カナル】「だって今、技術界最凶のマッドサイエンティストと、技術界最強の天才少女が共同戦線張ってんだぜ？
　　　　　　んでここには魔術界最強の魔術師ペアがいるときた。・・・無敵じゃねぇか、俺たち。」
確かに、これだけ駒が揃えば、世界をいくつも捻り潰すこともできそうです。
【神楽坂】「そう言われれば、そうだけど・・・
　　　　　　けど、銃弾が飛び交うのに魔術界の人間やチャオが飛び込むのも無理だし。」
【川島】「・・・いや、待って！いい方法があったわ！」

川島が、何か思いついたようです。
表で指揮を執っているルーティア嬢を呼びました。
【川島】「先輩、かくかくじかじか・・・」
【ルーティア】「あ、それいいかも！」

そして、全員で移動開始。その向かう先は、
【サララ】「きょうじゅがさっき強行着陸した戦闘機？」
【川島】「ええ、空中戦を仕掛けるわ！先輩、お願いします！」
【ルーティア】「うん！」

戦闘機に５人＋４匹載せられるのか、とお思いでしょうが、この戦闘機はさっききょうじゅがオーロラビジョンをパクって帰ってきた戦闘機。問題ありません。
そこに全員が乗り込み、ルーティア嬢が操縦席に座ります。もちろん、戦闘機の操縦だってお手の物。

【ルーティア】「ハッチ閉めないから、風に気をつけて！」
【神楽坂】「分かりました！」
そして、離陸。空に出ました。

【木更津】「風が・・・すごい・・・っ！」
【ヴァレイユ】「こんなスピードだから、当然だけど・・・」
【永川】「これで、魔術で敵を狙うのか・・・」
【神楽坂】「できますか！？」
【永川】「やってみようか・・・ブラックレイっ！」
永川が一撃。戦闘機が飛び交う夜の街に漆黒の光が疾り、敵の戦闘機を直撃。見事撃墜です。
【木更津】「やったーっ！」
【川島】「香織ちゃん、危ないっ！」
【木更津】「へ？」

川島が慌てて木更津をかがめさせます。次の瞬間、銃弾が２人のすぐ上をかすめ、開けっ放しのハッチの防弾ガラスに直撃しました。
ガラスは割れませんでしたが、ひびがガラスじゅうに広がります。
【サララ】「ギリギリセーフですね・・・」
【木更津】「・・・まさか、このガラス・・・」
【川島】「ええ、この弾が、すごいスピードで飛んできたのよ・・・」
と、落ちていた銃弾を拾い上げます。
【川島】「これが、技術界で一番よく使われてる武器。
　　　　　これが当たったら、人間もチャオも、大怪我は避けられない・・・気をつけて！」
【ルーティア】「あたしもできる限り避けるけど、全部は無理だから、頑張って！」
【永川】「ああ・・・分かった！」

そして、戦闘が始まりました。

【サリア】「でも私、地属性だから空中戦、できないんですよね・・・」
【川島】「あ・・・ごめん・・・」

＜中編に続く＞