第8話「それは、何?」・中編
第8話・中編
【ぱある】「じじい、なんだこれは?」
【きょうじゅ】「だーはっはっは!我が向島家に代々伝わる『青い棒』じゃ~っ!」
【ぱある】(代々伝わるならもっとマシな名前付けやがれ・・・)
【永川】「こ・・・コバルトポールっ!?」
【サリア】「まさかっ!?」
きょうじゅが持ってきたお宝は、なんと永川が技術界に来た目的そのものであるコバルトポール。
技術界での捜索は難航すると思われましたが、意外とあっさり見つかるものです。
【ナレーション】「青い棒、正式名称コバルトポール。
3000年前の超古代文明に於いて作られたと思われる、伝説の杖。」
【永川】「そう伝わっているのか・・・
実際は、1000年近く前に技術界に渡ったはずなんだけど・・・」
【木更津】「とにかく、すぐ取りにいかなきゃ!」
【ヴァレイユ】「だから、無理だって!」
・・・確かに、生放送じゃありません。というか木更津、まだテレビの仕組みを分かってません。
【ルーティア】「落ち着いて!
この番組は、ああやって出されたものが本物か偽物か、いくらぐらいの値段がするかを鑑定する番組なの。
だから、まずあれが本物か偽物か、結果を見てみないと!」
・・・という訳で、続きです。
【ぱある】「あー、あんまりやりたくないが、とりあえず鑑定結果はこちら!」
1、10、100、1000、10000・・・
【おぉる】「・・・(ごくり)」
・・・次の瞬間、全員が驚きました。
【ぱある】「い、」
【ルーティア】「い、」
【おぉる】「1億リングっ!!??」
【きょうじゅ】「だーっはっはっはっはーっ!!!」
1匹だけ高笑い。
そして、解説。
【鑑定士チャオ】「いやー、いい仕事してますねぇ~。
3000年前の超古代文明に於いて作られたコバルトポールに間違いありません!」
【永川】「つまり、コバルトポールはあの向島っていうチャオのところにある・・・と?」
【ルーティア】「うん。」
【サリア】「問題はどうやって取りに行くかですね・・・
守りも固そうですし、技術界の技術なんて私達分かりませんから・・・」
しかし。
【ルーティア】「近くまでなら、行けるよ☆」
【木更津】「へ?」
なんといってもルーティア=リネージュ。
きょうじゅの自宅ぐらい分かりますし、顔見知りなので中に入ることもできます。
【ヴァレイユ】「どうするの?」
【永川】「しかし、ただ取るのではただの泥棒だ・・・」
交渉が効く相手とも思えません。
【ルーティア】「それなら、あたしに任せてっ!」
再び、ルーティア嬢。
【サリア】「いい方法でも?」
【ルーティア】「うん、ちょっと考えがあるの。準備が必要だから、明日の夜にはいけるかな?」
【木更津】「つまり、泥棒大作戦は明日決行?」
・・・そのネーミング、どうでしょう。
【ルーティア】「うん、そうなるね。」
これで、決定。
【ルーティア】「それじゃ、今日はゆっくり休んでねっ!」
そう挨拶をすると、彼女は大部屋から出て行きました。
そして、翌日、昼間。
【川島】「香織ちゃんと永川さん、上手くやってると思う?」
【神楽坂】「う~ん、大丈夫なんじゃない?リネージュ先輩もついてるし。」
すっかり脇役状態の主人公&ヒロインですが、心配のようです。
すると突然、なんだか教室が騒がしくなりました。
【カナル】「やけに騒がしいな、どうしたんだ・・・?」
と、両ペアが振り向くと、
【サララ】「り、リネージュ先輩!?」
なんとあのルーティア嬢が、自分達に向かって手招きしています。
(ちなみに普段彼女は自分のクラスの授業関係以外に顔を見せることはほとんどありません。
初めて生で彼女を見たという生徒がほとんどで、教室も騒がしくなります)
【川島】「何かあったのかしら?」
と、行ってみることに。
【ルーティア】「ねぇねぇ、昨日の『どれでも鑑定隊』見た?」
【川島】「ごめん、あたし『ベルリンハーツ』見てた・・・どうかしたの?」
【神楽坂】「俺、その時間テレビ見てなかったな・・・」
とりあえず、ルーティアは「どれでも鑑定隊」にコバルトポールが登場した件について話し、
【ルーティア】「今夜、泥棒大作戦をやるの!」
【サララ】「泥棒大作戦・・・って、まさか盗むんですか?」
【ルーティア】「大丈夫、ちゃんと考えてあるから。
とにかく、今日の夕方6時にここに来て!」
と、地図を広げ、ある場所を指差しました。
【神楽坂】「はい、分かりました・・・」
【ルーティア】「それじゃ、夕方に!」
そう言って、彼女は走っていきました。
【女友達A】「ねぇ、先輩と何かあったの!?ひょっとして、まさか知り合いっ!?」
【男友達B】「なぁ神楽坂、ルーティア=リネージュのメアドとか知ってんのか!?」
・・・その後、2人がこんな風に友達から質問攻めにあったのは言うまでもありません。
<後編へ続く>