第6話「勝者と、敗者」・中編

第6話・中編


【木更津】「相手はダメージを受けてる・・・今なら、いけるかも!」

木更津がまず突っ込みます。
【吉川】「くっ、サンダーフィストっ!」
しかし、その技は既に目が慣れています。軽く避け、
【木更津】「アイスサーベル!」
一撃。それ自体は外したものの、
【ヴァレイユ】「サンダークラッカーっ!」
今度はヴァレイユ。これは直撃です。

【吉川】「くっ・・!」
【ヴァレイユ】「畳み掛けるわ!」
さらに猛攻は続きます。

【カナル】「クラッシュボンバーっ!」
【神楽坂】「ライトスポイラー!」
今度は神楽坂とカナル。いずれも命中し、吉川は徐々に後ろに下がっていきます。

【吉川】「くっ・・・油断した・・・永川が来るとはな・・・
     だが、これで!
     ・・・ゴッド・オブ・サンダー!!」
吉川が、遂に必殺技を繰り出しました。
とても強烈な雷の攻撃が、物凄い勢いで向かってきます。
【神楽坂】「!?」

全員、間一髪で避けましたが、その攻撃は、どこまでも消えずに、はるか向こうの方まで飛んでいきました。

【木更津】「な、なにあれ・・・」
【神楽坂】「こんなに凄いなんて・・・」
その強さに慄く2組。

【ヴァレイユ】「・・・香織、次は確実に当ててくるはずよ・・・どうする・・・?」
【木更津】「こっちももう少しで勝てる・・・だったら!」
木更津が、最後の賭けに出ました。

【木更津】「神楽坂さん、あっちへ!」
と、木更津が左側を指します。
【神楽坂】「え、はい!」
言われた方向へカナルと一緒に移動。

【吉川】「そのうちにそっちが攻撃するという算段か・・・?甘い!
     ゴッド・オブ・サンダーっ!!」
吉川、必殺技。その方向は、・・・木更津とヴァレイユ。

【ヴァレイユ】「・・・ヴォルティック・エターナリィっ!!」
なんとヴァイレユは真正面から、自らの必殺技を放ちました。
当然、かなうはずもなく、攻撃はなおも向かってきます。
【ヴァレイユ】「これでちょっとでも弱まれば・・・香織っ!」
【木更津】「うん!フローズンシールドっ!」
今度は木更津の盾。

しかし、いくらヴァレイユが必殺技である程度打ち消したといっても、木更津の盾で耐えられるものではありません。
盾は簡単に砕かれ、氷の破片と雷の攻撃が木更津とヴァレイユを襲いました。
【神楽坂】「木更津さん!?」
【木更津】「・・・今っ!」
その一言を最後に、木更津とヴァレイユは雷の濁流に飲み込まれていきました。

【カナル】「今・・・そうか、今だっ!」
見ると、吉川は技を出した反動で動けません。
木更津はそれを見抜いて、神楽坂ペアに賭けたのです。

それを悟った神楽坂とカナルは、吉川のところに突っ込み、
【カナル】「バーニングナックルっ!!」
必殺技。吉川を吹っ飛ばし完全に動きを封じると、

【神楽坂】「シャイニング・・・ブレイカーっ!!!」
・・・大剣で、一撃。

【吉川】「なっ・・・!!」

カナルの一撃で崖っぷちに追い込まれていた吉川は、その直撃を受け、そのまま数百m下へと転落してしまいました。
【吉川】「ぐわあああぁぁぁ・・・・」
断末魔を残して。


【神楽坂】「か・・・勝った・・・!」

しかし、神楽坂もカナルも限界。へたりこんでしまいました。

【サリア】「・・・私達抜きで、吉川を・・・」
【永川】「ああ・・・ひょっとすると、凄いかも知れない・・・」
実際のところ、永川が一撃与えたのが大きかったのですが、本人にその自覚はなく、
ただ「神楽坂ペアと木更津ペアが吉川を倒した」という事実に、大きな可能性を感じていました。

【川島】「なんか、あたしだけ踏んだり蹴ったりってのが、ちょっと気に入らないけど・・・」
【サララ】「まぁまぁ・・・」
【川島】「分かってるわよ、サララ。あたしもバカじゃないわ・・・」
助かった川島も、一安心。

【川島】「そういえば、香織ちゃんとヴァレイユは!?」
と、木更津とヴァレイユの方を見ると、
【木更津】「やったーっ!!」
木更津が大はしゃぎ。
【ヴァレイユ】「・・・香織、血だらけなのに、痛くないの・・・?」
・・・そう、血だらけで。当のヴァレイユも瀕死寸前ですが。

【木更津】「・・・へ?」
と、鮮血で真っ赤に染まった自分の両手を見た途端、
【木更津】「い・・・痛~いっ!!」

【永川】「・・・大丈夫そうだね・・・」
【サリア】「ええ・・・」

<後編に続く>

このページについて
掲載号
週刊チャオ第187号
ページ番号
17 / 78
この作品について
タイトル
魔術師狂想曲(マジシャン・ラプソディ)
作者
ホップスター
初回掲載
週刊チャオ第182号
最終掲載
週刊チャオ第227号
連載期間
約10ヵ月12日