第5話「時が、動き出す」・中編

第5話・中編


ガナーシュは、神殿に現れました。そこには、人間の男が1人。
【ガナーシュ】「悪ぃ、ちょっとな。遅れちまった。」
【男】「ま、問題ないだろ?」
【ガナーシュ】「ああ。それより、本当にここでいいんだろうな?」
【男】「古文書が正しければな。・・・行くぞ。」
【ガナーシュ】「ああ・・・」

そう言い、奥へ歩き出しました。

ところが、数歩歩いた瞬間、男とガナーシュは止まりました。

【男】「ちっ・・・」
【ガナーシュ】「こいつぁ・・・やべぇな・・・」

【永川】「そこまでだ・・・秘密組織『バーミリオン』幹部会、『SEVENTH HEAVEN』メンバー・・・
     吉川久志、それにガナーシュ=ヴィデンス・・・!」

永川慶十郎と、サリア=ハージェスがそこにいたのです。

【吉川】「まさかもう動いてるとは・・・」
【ガナーシュ】「吉川、ここは下がるぞ。」
【吉川】「だが!ここで下がって何になるというんだ!」
吉川は一歩進み、構えます。
【ガナーシュ】「バカめ!あっちは仮にも魔術界最強の魔術師ペアだ!
        要注意リストの先頭に載っているだろうがっ!
        それとも処罰されてぇのか、てめぇはっ!」
【吉川】「くっ・・・」
無理矢理ガナーシュに連れられるように、吉川も下がり、消えました。

【サリア】「・・・追いますか?」
【永川】「いや、クリムゾンポールが先だ。場所が知られた以上、あのままにしておくのは危険だ・・・」

そう言い、永川とサリアは北に消えました。


こちらは移動中。
【川島】「でも、追っかけるのはいいけど、謎だらけよ?
     ガナーシュってチャオと、吉川ってのは仲間なんだろうけど、どういう関係だとか・・・」
【神楽坂】「第一、あんな凄い魔力の人相手に、勝てるんですか?」
【木更津】「分かんないけど、悪い人達をやっつける!」
【カナル】「はぁ・・・」

・・・そこまで単純化しますか。

【サララ】「あ、あれは!?」
サララが、ある方向を指しました。
見ると、さっきのガナーシュが、男と一緒に逆の方向へ移動しています。
【神楽坂】「まさか、もう!?」
【ヴァレイユ】「いや、クリムゾンポールは持ってないわ!」
確かに、それらしきものは見えません。
【木更津】「とにかく、追いかけなきゃ!」
今度は反対側に走り出しました。


【吉川】「・・・ん?追いかけてる連中がいないか?」
どうやら、こちらも気づいたようです。
【ガナーシュ】「ああ、あれか・・・さっき崖のところでいた連中だ・・・要注意リストには無かったが・・・どうする?」
【吉川】「ならば俺が片付ける・・・あのまま追われても厄介だからな・・・いいか?」
【ガナーシュ】「分かった・・・くれぐれもしくじるなよ・・・」

そこで、移動する方向を変えました。

【川島】「右!?」
【ヴァレイユ】「あっちは確か・・・崖?」


永川と、サリア。神殿の一番奥に到着です。
【サリア】「どうするのですか?」
【永川】「またどこかに隠せば、追って奪う者が現れる・・・
     ブラックレイ!」
そう言いつつ永川が壁に向かい魔術を放つと、壁は壊れ、クリムゾンポールが現れました。
【永川】「魔術界征服を狙うバーミリオン、
     4匹のチャオと3人の人間から成る強力な魔力を持つ幹部会・『SEVENTH HEAVEN』・・・
     思い通りには・・・させない!」
永川はクリムゾンポールを取ると、走り出しました。サリアもついていきます。


主人公一行は、崖に出ました。
崖には、吉川とガナーシュ。
【神楽坂】「追い詰めた!」
【川島】「あんた達・・・何者?」
【吉川】「そっちこそ、何者だ・・・」
【ヴァレイユ】「駆け出しの魔術師よ。3組のね。」
【ガナーシュ】「へぇ、魔術師か・・・ま、駆け出しなら束になっても同じか・・・
        吉川、頼んだぞ。」
【吉川】「ああ・・・」
そう言うと、ガナーシュは崖から飛んで消えました。
【カナル】「あ!待てっ!」
【神楽坂】「いや、それより今はあっちだ。ガナーシュと違って、人間だから逃げられない・・・」
さすがにあの崖は人間が飛び降りるのは無理です。

【吉川】「それじゃ・・・始末するとしますか・・・」
吉川が構えました。神楽坂達も構えます。

<後編に続く>

このページについて
掲載号
週刊チャオ第186号
ページ番号
14 / 78
この作品について
タイトル
魔術師狂想曲(マジシャン・ラプソディ)
作者
ホップスター
初回掲載
週刊チャオ第182号
最終掲載
週刊チャオ第227号
連載期間
約10ヵ月12日