第4話「夢の、果てまで」・後編

第4話・後編


神楽坂・カナル、川島・サララが木原ペアと修行(?)をしていた、その頃。

【永川】「ふぅ・・・サリア、どうだ?」
【サリア】「いいえ、特に重要な話は・・・」
【永川】「そうか・・・連中の動きを早く掴まないと、大変なことになる・・・」

「扉を使って、何かを企む連中がいる」。
永川ペアが神楽坂達と会ったときは、ただの噂だったその話。
この話自体はまだ噂なのですが、今度は別の噂が広がり始め、さらに現実性を帯びてきたのです。

【永川】「ツイン・ポールの伝説、か・・・」
【サリア】「2つの杖を揃えた者は、最強の魔術を操れる・・・」

簡単に言ってしまえば、それを使って悪巧みをしようとする連中がいるらしい、というのです。
今は、村で聞き込みを進めている最中。

【永川】「仕方がない、次の村に行くか・・・」
と、その時。
【村人】「おーい、旅人さーん!思い出しました!」
村人が駆け寄ってきました。
【村人】「1週間くらい前、1組の人間とチャオが、隣村の古い書物を全部盗んでいったそうです!」
【サリア】「1組の人間とチャオ・・・」
【村人】「止めようとした村人を、とんでもない強さの魔術で蹴散らしたとか・・・」
【永川】「なるほど・・・ありがとう。」

改めて礼を言い、出発しました。


【サリア】「どうしますか?隣村へ?」
【永川】「いや、そんな暇はないだろう。急いで・・・」
その時、後から攻撃が。永川はすっと避けました。

【永川】「・・・誰だ?」
【男A】「ちっ、外したか・・・なら数だ!」
気がつくと、数十人の人間やら数十匹のチャオやらが、永川ペアを囲んでいます。
【男A】「目的のため・・・消えてもらう!」
【永川】「ちょっと多いな・・・サリア、いいか?」
【サリア】「もちろんです・・・」
【男A】「やっちまえ!」
【大勢】「おーっ!」
一斉に飛び掛りました。しかし、
【サリア】「スプリット・フィールドっ!!」
サリアが地面に降り、腕を地面に突きつけた途端、周囲の地面が次々とせり上がり、敵を襲います。
これが、地属性。

これで敵の足並みは完全に乱れました。こうなると、このペアの敵ではありません。
永川が次々と闇の剣で斬り伏せて、サリアもどんどん攻撃を加え敵を倒します。

【男A】「くっ・・・くそぉっ!」
【永川】「小物か・・・ヘルショット!」
次の瞬間、永川の一撃が男に命中、男は成す術もなく倒れました。


【永川】「これは・・・急ぐ必要がありそうだね・・・
     ツイン・ポールのうち1つがあると言われる・・・天麗高原へ・・・」
【サリア】「ええ・・・」

~~~~~

【神楽坂】「はぁ、はぁ・・・」
【川島】「ふぅ、さすがに疲れたわね・・・」

【木原】「結構やるじゃない、どっちも。こんなもんね。」
木原も合格点。特訓終了です。
【木更津】「なんか、あたしらより強くなってそう・・・」
ちょっと不安な木更津。最も、彼女も特訓を受けましたが。
【カテナ】「うーん、経験の差ってのがあるから、大丈夫だと思うよ?」

そして、出発の準備です。
【木原】「これから、どこに行くの?」
【ヴァレイユ】「天麗高原です。」
【カテナ】「そう、気をつけてね。」

【木原】「それじゃあ、またいつか!」
【神楽坂】「ありがとうございます!」
深く礼をして、別れました。


神楽坂たちの姿が、見えなくなった後。
【カテナ】「・・・ふぅ、これで面白いことになりそうね・・・」
【木原】「ええ、扉の波動があって、何かがあるとは思ったけど・・・
     それにしても慶十郎、アンタは何をやってるの・・・?」
彼女は、かつての「戦友」の名前を呼びました。
彼が何をやっているのか、彼女は知りません。

              ・ ・ ・ ・
【木原】「・・・いくわよ、トリシャ。あの「噂」の真偽を確かめるわ・・・」
【カテナ】「ええ・・・」
カテナは、「トリシャ」と呼ばれて、そう答えました。
木原は、「何か」が動いていると、直感したのです。

                 来週へ続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第185号
ページ番号
12 / 78
この作品について
タイトル
魔術師狂想曲(マジシャン・ラプソディ)
作者
ホップスター
初回掲載
週刊チャオ第182号
最終掲載
週刊チャオ第227号
連載期間
約10ヵ月12日