第4話「夢の、果てまで」・中編

第4話・中編


ヴァレイユの推測が、始まります。

【ヴァレイユ】「・・・たぶん、神楽坂さんとカナルさんに、「戦い」を教えようとしている・・・
        それも、あのペアを駆け出しの魔術師だと判断して・・・!」
【サララ】「それって、もしや・・・!」
【ヴァレイユ】「そう、ちょっと見ただけで、あたしらの実力をすぐに見抜いた・・・
        本当は、物凄いレベルの魔術師なのかも・・・!」
しかし、木原真由&カテナ=アルザスなんて魔術師はヴァレイユも聞いた事がありません。
それに、相当の魔力があれば、彼女たちが使う剣や盾も、もっと大きくなるはずです。
【ヴァレイユ】「どういう事なんだろ・・・」
しかし、ヴァレイユの疑問は解けそうにありませんでした。


【カナル】「啓!大丈夫か!?」
【神楽坂】「ああ、何とか!」
【カナル】「だったら・・・!?」
と、話そうとした瞬間、
【カテナ】「スキあり!フェアリーアタッカーっ!」
【カナル】「ぐわぁっ!」
四方八方から光がカナルを襲います。
カテナの不意打ちが今度はカナルに直撃です。
【カテナ】「これは漫画じゃないんだから、話してる暇はないわ。目で確認するのよ!」

その後も、木原とカテナの猛攻は続きました。
しかし、
【カナル】「啓・・・おかしくねぇか?」
【神楽坂】「うん・・・トドメを刺さない・・・?」
神楽坂もカナルも、ボロボロ。
しかし、ようやく両方とも、この相手が何を考えてるか分かってきました。

【木原】「いい?どんなに追い込まれても、諦めない!
     普通はバカなガキが言うような話だけど、魔術の勝負は一瞬で変わるわ!」
そう言いつつ、さらに攻撃を加えます。何とか避ける神楽坂とカナル。そこに、
【木更津】「あと30秒!」
残り時間が告げられます。

【神楽坂】「諦めない、か・・・」
【カナル】「どうせあと30秒だ。俺は行くぜ!」
【神楽坂】「ま、負けたら死ぬ訳でもないし。行ってみるか!」
こうして、両者最後の賭けに出ました。


【カナル】「いくぜっ!ファイアバスターっ!」
カナルがまず、カテナに一撃。
しかしカテナは、
【カテナ】「スパイラルシールドっ!」
簡単に防ぎます。ここまでは、最初と同じ。

【木原】「マイティシュートっ!」
木原は次々と光の攻撃を放ち、スキを見せません。
【神楽坂】(撃ち合いはどう考えても木原さんの方が上・・・だったら、詰め寄れば!)
しかし、どんどん撃ってくる木原に詰め寄るのも至難の技。
・・・ところが。
【神楽坂】(・・・!見えた!あそこを通れば・・・避けられる!)
1箇所だけ、上手く突っ込めば近寄れそうな場所が、見えました。
迷ってる暇はありません。神楽坂は前へ突っ込みました。

【カテナ】(ここまでは、さっきと同じ・・・どうする気?)
と、カテナが考えたその時、カナルの攻撃が消えました。が。
【カテナ】「!?」
自分の前に、盾。そのすぐ前に、カナルがいたのです。
【カテナ】(自分の攻撃に隠れて、距離を詰めてた!?)
【カナル】「っしゃ、バーニング・・・ナックルっ!!」
カナル、渾身の一撃。

【木原】「しまった!」
    (元々あたしも撃ち合いは苦手・・・スキを見られたわね・・・)
木原と神楽坂は、剣で切り結べるほどの近距離。
【神楽坂】「いっけぇぇっ!シャイニング・ブレイカーっ!!」
神楽坂の必殺技、木原張りの大剣です。(無論彼女の真似をした訳ではありませんが)
【木原】「・・・勝負よ!アタッキングソードっ!」
木原も大剣を再び作り、次の瞬間、光が交錯し、周りに広がりました。


【川島】「ど、どうなったの!?」


【カテナ】「・・・ふぅ・・・」
【木原】「なるほどね・・・」
カテナの盾も、木原の大剣も、バラバラに砕けていました。

【木更津】「そ、そこまで!引き分けっ!」

【サララ】「すごい・・・どっちも、あれを砕くなんて・・・」
しかし、恐らくこのまま試合を続けていれば、木原&カテナが勝ったでしょう。
それでも、引き分け。
【木原】「言ったでしょ?魔術は、一瞬で決まるって。」
【神楽坂】「はい・・・!」
しっかりと、握手。


その日の、夕食の時。
【カテナ】「やっぱり、技術界から来たのね?」
【サララ】「『やっぱり』って、どういう意味ですか?」
【木原】「うん、服装。こっちじゃ、こんな服ないしね。」
【神楽坂】「あ、なるほど・・・」
ちなみに、最初に学校の裏山に行くときに、2人とも一旦家に帰って動きやすい服に着替えてます。

【木原】「川島さんも、明日稽古する?」
【川島】「え、いいんですか?」
【木原】「魔術師としてこの世界で生きるなら、ある程度は強くなきゃね。暇だし、協力するわよ?」
【サララ】「それでは、お願いします。」

そして、次の日から数日間、2組の稽古が始まりました。

<後編に続く>

このページについて
掲載号
週刊チャオ第185号
ページ番号
11 / 78
この作品について
タイトル
魔術師狂想曲(マジシャン・ラプソディ)
作者
ホップスター
初回掲載
週刊チャオ第182号
最終掲載
週刊チャオ第227号
連載期間
約10ヵ月12日