3
ライフルを持つダークカオスチャオ。
フードから見える黄色い目が恐怖を感じさせた。
―あなたといた女の子はもういません。なぜでしょう?
―殺したのか?
―それはないですね、私はターゲットしか殺しません。
―ターゲットって誰だ?
俺は言葉を発した瞬間横に飛んだ。
俺のいた壁に穴があく。
―人間はすばらしいですね。こんな殺傷兵器をつくるとは。
俺はすぐさま、近くにある鉄の棒を持った。
せめてもの武器となるだろうから。
―さてと、わたくしダーカに勝てると思っているのですか?
ダーカはライフルをくるりと一回転させて、
こっちに銃口を向けた。
俺はふとポケットの中にあるものがあるのを感じた。
俺はポケットをまさぐる。
―何かその中に秘密兵器でもあるというのですか。
―いや、ただの文房具さ・・・。
―コンパス、カッター・・・役に立つものでも?
―いや、文字を消すものだ。ただ、今消すのは・・・。
オマエだ。ダーカ。
俺は消しゴムをダーカの左に投げる。
ダーカがそっちに目をやった瞬間、
俺は飛びかかり、鉄の棒でライフルをはねとばす。
―ちぃっ。
ダーカはあわてて後ろに飛んだライフルをとろうとしたが、
俺の鉄の棒が早かったようだ。
俺は鉄の棒で思い切りライフルを突いた。
ダーカはそれでもライフルを奪い取り、
俺に銃口を向ける。
しかし、中身が壊れ、銃弾の行き先がないライフルは、
いったい何を起こすかをダーカは知らなかった。
引き金をひいたダーカは、
刹那爆発するライフルから逃れられなかった。
ダーカは空中をひねるようにとばされ、地面に落ちた。
体中ライフルの破片が刺さり、
角の一本はのこぎりで切ったように、
半分に割れていた。
俺はその一部始終を見た後、廊下を進んだ。
途中で重傷の生徒を見かけた。
しかし、俺はそれを無視し、進んだ。
自分の無力を感じてしまうだけだから。
確かに奴は死んだ、いや、動けない生命体になった。
しかし、サヤカは俺の不注意だ。
無力だ。
俺はそれを感じることしかできなかった。
そのとき、サヤカの叫び声が聞こえてきた。
体育館の準備室からだ。
俺は無力なんて言ってる暇はなくなった。
サヤカは俺が助ける。