第5話 創造

森を抜け、少し歩いた所に村があった。
思っていたより人も多いようだ。
村に入り、少し歩いた所で

グレン「クオン、ここで待っててくれるか。獣を退治した事を報告してくる。」

そう言って、近くの他の建物より大きい建物にグレンは入って行った。
多分、役所のような所なんだろう。
しばらくすると、グレンが建物から出てきた。

グレン「待たせたな」
久遠「いくらぐらい貰えたんだ?」
グレン「ん?あぁ、その事なら気にするな。金の事はしばらく後でいい。
俺と一緒にいたら、この世界の金銭に関しても段々わかってくるだろうけどな。
しばらく俺といるんだから、金は気にするな。今は自分の事だけを考えておけ。」

グレンはそう言うと「行くぞ」と言って、先を歩いて行った。


しばらく歩くと、宿屋、と書かれた看板が見えた。
グレンはその宿屋に入って行った。
俺はグレンの後を追った。

グレン「二人、とりあえず三泊頼む。」
宿屋「三泊ですね。−−−円になります。」

ん?円?日本円なのか…?
そんな事を思っているとグレンが戻ってきて、一緒に泊まる部屋に向かった。

部屋に着いた。
そんなには狭くは無いが広くも無い。
ベッドが二つ付いている以外は何も無い部屋だが、宿屋だったらこんなものかなと思った。

グレン「さて、とりあえず、町外れまで行くぞ。予定は日が暮れるまでだ。」
久遠「え?晩のご飯とかはどうするんだ?買わなくてもいいのか?」

グレン「おいおい、何の為に宿屋なんて泊まると思ってるんだ。
飯ならここの下は食堂だからそこで食べれる。
朝昼晩、食べた分だけ払えばいいって訳だ。
ちなみに昼はパンとかの持ち運べるものだからな、特訓中でも食えるようにな」

とグレンは少し笑いながらそう言って、必要な荷物だけをまとめた小さな鞄の様な物を手に持ち部屋を出て行った。
俺もグレンについて行った。


そして少し村から歩いた村のはずれ。
そこで武器を出す為の特訓する事になった。

グレン「いいか?まずは想像するんだ。例えば緊急時意外に抜き身の刀なんか出すのは危険だよな?だから、こうするんだ。」

グレンは左の腰に左手を当てるとそこに刀、鞘に入った刀が現れた。

グレン「こんな風にな。この前はすぐに斬らないといけなかったから抜き身だったが
想像によってはいつでも鞘に入った状態、抜き身の状態で出せる。
クオンは基本はもう一回出した事により基本は出来てるだろう。
今回は鞘に入ってる状態を集中して想像して出すんだ。わかったな?」
久遠「ああ、わかった。じゃあ、やってみる。」

俺はグレンに言われた通り、集中して鞘に入った刀を想像した。
しかし、想像しても何も起こらない。
具現化する時に出る光さえも。

久遠「おかしいなぁ・・・。」
グレン「おかしくはないさ、ただクオンにはまだ実力がついてないだけだ」

俺はそう言われて悔しかったが、事実だったのでそのまま練習をする事にした。
想像して、集中。
ただ、それだけなのに出来ない・・・。

そして、夕暮れ近くまでしていたが進展はしなかった。
そして宿屋に帰ることにした。


そして、宿屋に帰り、食堂で食事をしている時に

グレン「やる気があるなら部屋でも練習するといい。」
久遠「え?じゃあなんで、外で練習を?」
グレン「確かに部屋でも練習は出来る。しかし外でやる事によって自然の力を利用するのさ。
太陽の光、流れる風、広がる大地、それぞれの世界を循環する力でな。」
久遠「な、なるほど・・・。」

そう話しているうちに食事が終わった。
そして部屋に戻る事にした。


グレン「獣を倒したので今日は疲れたから、もう寝るがクオン、練習するならすればいいが、無茶はするなよ。」
久遠「ああ、わかった。おやすみ。」
グレン「ああ、じゃあな」

そしてグレンはチャオの姿に戻り、眠りに就いた。
俺は寝ているグレンの横で、練習をする事にした。

しかし、明け方近くまで練習したが進歩はしなかった。
そして、俺は寝ることにした。
久遠「(これ以上やると明日に響きそうだからな・・・。)」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第229号
ページ番号
5 / 8
この作品について
タイトル
永遠の鎖
作者
銀チャオ
初回掲載
週刊チャオ第227号
最終掲載
週刊チャオ第229号
連載期間
約15日