第3話 人形

チャオ「言うの忘れていたが、俺はグレンだ。お前は?」
久遠「グレンか…。俺は如月久遠。宜しく。」
グレン「あぁ宜しくな。キサラギクオンか…。並びは別にしても同じだな基本はこの世界と」
久遠「こっちの人の名前がどんなのかは知らないけど、基本的に似た様なもんだと思うぞ」

そしてグレンに色々教えてもらっていた俺は今更だけど気付いた事があった。
噛まれた肩が痛くないことを。
そして包帯が捲かれている事も。
俺は聞いた。

久遠「なぁグレン。この包帯はお前が?」
グレン「ああ、それは俺がやった。しかし、凄いなお前は。もう血が止まってる。」
久遠「え?血が?いやそんな馬鹿な、俺が意識失ったの血が少なくなって貧血になったからだろ?!」

俺は捲かれている包帯を取った。
噛まれた傷跡の様なものは確かに残っているが血は出ていない。
包帯にも少ししか付いていなかった。

久遠「本当だ…。どうしてだろう…。」
グレン「あぁ…大体だが予想は出来るな。」
久遠「なんだよそれって?いや…!ちょっと待ってくれ!
確かにそれも気なるけど。それよりも気になる事が今見つけた!」
グレン「なんだよ?」
久遠「そのまるっこい手でどうやって包帯を捲いたんだよ?!」
グレン「あ?あぁ、それな、どうってこうやっ…」

そうグレンが言いかけたとき、足音が聞こえた。
そう獣の。
一匹じゃない多数の足音だ。
そんな事を思っているうちに俺達のいる草の無い所にその獣…。
俺を襲ったのとは違う獣が群れをなして出てきた。

久遠「う、うわ!また出た!
ぉ、おい!どうするんだよ?!こいつら!」
グレン「クオン見ておけよ。」

そう言ったグレンはその群れの前に立った。

久遠「グレンの様な小さい体じゃ無理だ!」
グレン「まあ見ておけってクオン。」

獣たちはグレンめがけて突進してきた。

久遠「グレン!」

そう叫んだ直後。
突進して、グレンに当たりかけていた獣達は吹っ飛んでいた。
そして、そのグレンの辺りは光っていてよく見えないが中に見える影が大きくなっていくのは見えた。
光がおさまって、目を開くとそこには俺を助けてくれた炎の様に燃えるような紫の髪の毛をした男がいた。

久遠「え…、あんたってグレンだったのか?」
グレン「そうだ、これがお前を助けて、包帯を捲いたときの姿だ。
詳しい事は後で話してやる。」

グレンの雰囲気が変わった気がした。
そしてグレンは手を前に出した。
その出した手が光って、光が何かに形作っていく。
そして現れたのは刀。
その抜き身の刀を構えてグレンは獣たちを切っていく。

グレン「この獣達は、近くにある村をよく荒らす。
そしてこいつらの肉は食えない。
そして害になる。襲うなら殺してもいいって言われている。
それにこの獣たちを倒すのが今回の仕事なんだ。」

グレンは獣たちの足などを斬り俺のほうに獣たちを行かせない様にしているのがわかった。

グレン「数が多いな…。」

そうグレンがつぶやいた時にグレンと獣の群れの逆方向。
つまり俺の後ろから何かが近づいてくる足音がした。

それは、俺を襲った野獣だった。
グレンは数の多い獣の群れで手を出せない。
徐々に野獣が近づいてくる。

グレンが何か言ってるのが聞こえた。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第228号
ページ番号
3 / 8
この作品について
タイトル
永遠の鎖
作者
銀チャオ
初回掲載
週刊チャオ第227号
最終掲載
週刊チャオ第229号
連載期間
約15日