2話 不信
ーチャオがそこにいる。だから、一匹ではないー
ー仲間という物があるならば、対立という言葉もあるー
コチョー先生という言葉は「孤島」から。
(本当は「五島」が「コトー」と船の上で島の子どもが聞こえたから。これは、改造部分があります。)
そして、島の子どもと、なじんだ次の日。
コチョーはある家に連れ出された。そこには、あのウニぼうも居た。そして、その父親が、既に息を引き取った老チャオを連れ出してきて「黒繭証明書」をつきだした。
「黒繭証明書」とはこの書を提出しないと、チャオが黒繭に包まれないのだ。そして、葬式も上げられないという。
「・・・がっかりしましたか。」
自分の考えと同じ、事をいったので、あわてて振り返ると、そこには一昨日のときにあった。看護婦だった。どうでも良いが、村長の娘だそうで。
確かに、そうだ。一昨日にきた診療所も、医療器具もない、迎えてくれる人も、あの二人と、事務の人だけだった。
それでも、彼は諦めなかった。昨日の子どもの事もあるし・・・と思った。
しかし、村人には、よろよろで、無口な彼を「弱々しいチャオ」と思っていたのだった。
しかし、診療所にちゃおが来るのは、当たり前のことだった。
なぜなら、そこにチャオが生きているからだ。
そう、そこに運ばれてきたのは、あのウニ坊主だ。どうやら、急性カユイカユイ病に掛かったらしい。コチョーは、すぐに手術をはじめると言った。
しかし、ウニの父は許さなかった。
無理矢理本土に、連れて行こうとしたのだ。
コチョーは長年の勘で本土の病院では手遅れだと思った。
このままでは、手遅れだと思った。
「よし。あの小舟に乗るぞ。」
コチョーはあの二人の船に飛び移った。
しかし、このまま乗っているだけではウニがピンチだ。そこで、コチョーは手術を船上で行うことにした。
事務にカギを奪わせた。
そして、船を止めた。手術が始まった。
その、一週間後。退院した、ウニは診療所の旗を作ってくれたのだった。
そこには「Drコチョー診療所」と書いていたのだった。
続く