4A
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「過去を…俺は過去を知りたいんだよ。」
「!!」
「俺は28年生きているはずだ。
なのにだのに、記憶は3年分しかない!
お前はそれを、知っているのか?」
「ゆ、…ゆー。」
「俺はそれを知っている人と会った。
そして、それを希望に、彼女と話していただけだ!」
「か…彼女…!」
唖夢はしゃぶっていた指を口から外した。
そして、俺をしばらく見つめていたが、
すぐに、だっ、と駆け抜けてしまった。
「唖夢!」
俺はあわてて追いかけた。
人が大勢いる道、ホテル、階段、階段、階段…。
俺は唖夢に何とか追いつこうとする。
しかし、唖夢の足が一足先に彼女の部屋へと吸い込まれていった。
俺は扉をどんどんと叩くが、彼女に反応はない。
そのまま夜になった。
まだ、彼女に反応はない。
俺はホテルの管理人に頼んで、唖夢の部屋を空けて貰うことにした。
しかし、その部屋で待っていたものは…。
「唖夢…!」