11 ~助け船はダーカウォーカーでした。~

~助け船はダーカウォーカーでした~

「あ~ぁ、角が折れちゃってかわいそうだなぁ。」
「ダーカ、それは前からの話なんですけれど。」
「まぁいい。とにかく、連れて行くかはこいつの判断だ。」

小一時間前、ダーカが偶然見かけたピラミッドで、
大きな爆発があったのに気付いてやってきたのです。
爆発は、ジ・クロスがとどめとしてピラミッドに投げた爆弾。

「ちっ・・・おい。おまえら。俺を走れるようにしてくれ。」
「オニチャオ?気付いたんだねぇ?」
「あぁ、とにかく傷の手当てをしてくれ。」
「分かったよぉ・・・ん?なんかあそこに光っている物が・・・。」

全員が傷の手当てをしているとき、ダーカがふと気付きました。
目線の先には、十字の甲羅の亀です。
何とも珍しいのか、ダーカはそれをガサゴソと片づけました。

「さてと、オニチャオ。手当は終了。外まで運ぶよ。」

テイチャはオニチャオもダーカウォーカーに乗せます。
コンパクトサイズなので、ウォーカーもスイスイと進みます。
あっという間に外に出ました。

「よし・・・俺は一人で行きたい。」
しかし、それに3匹は反論します。
「う~ん、でもぉオニチャオの話だとG―CROSSっていう棟梁でしょぉ?」
「おまえ一人だと、危険だ。G―CROSSの棟梁は知っているが並じゃない。」
「ジ・クロスなら僕でも聞いたことがあるよ。残酷な性格だよ。」

3匹は口々に言います。
オニチャオはさすがに諦めたらしく、
「分かった。おまえらも来い。」と言いました。

「よし、4匹でそれぞれ探そう。」
「分かった。ならおれは飛んで探す。」
「俺はぁ歩いて探そうかなぁ?」
「僕はウォーカーに乗って探すね。」
「スピーカーフォンだ。これでお互いに話す。」

そう言って、彼らはそれぞれの方法で探すことにします。

「う~ん・・・あ!いた!」
少しばかりして、テイチャが発見したようです。
シャドチャも気付いてウォーカーの中に入り込んできます。
「あれか・・・ん?見たこともないチャオがいるぞ。」
「オモチャオと・・・だれ?」

すると、スピーカーから「ティカルチャオだ。」
と聞こえてきました。おそらくオニチャオでしょう。
そして、此処まで来て二匹は気付きました。

「ところで、この口調でオニチャオだって分かるってことは、
 もう説明無しでも変貌を認めちゃっている・・・?」

・・・・・・。

「逃げるちゃお!・・・もう遅いチャオか。」
「その通りだ。そいつを渡してもらおう。」
「・・・そう簡単にいくはず無いだろ。」
「ちっ、誰だ?」

追いつめられているオモチャオとティカルチャオの上空から、
テイチャとシャドチャが降ってきました。
そして、しばらくして、オニチャオも来ました。

「3匹か・・・とるに足らないな。」
そうして、またナイフを数本取り出して、投げつけます。
3ひきはかわそうと思いました。
しかし、3匹ともさっきのように突き刺さってしまいました。

「くくく。助け船がこんな状態だと、終わりだな。」
「ちっ、強すぎる・・・今は相手にならないのか・・・。」
「・・・又まけてしまうことになるのか・・・。」
「強いよ。やっぱり刃向かうべきじゃあ無かったんだ・・・。」

3匹は同時に思いました。
「こんな時にあいつがいてくれるならば・・・。」

「ん?なんか誰かが俺を呼んだなぁ・・・。」

その本人。つまりダーカは砂漠を彷徨っていました。
テイチャの癖が移ってしまったのでしょうか?
どちらにせよ、悪いことには変わりはありません。

「ん~。ねぇ亀さん、どうおもうぅ?」

ダーカはふと亀を見ます。
すると、何とも言えない感じがしてきました。
キャプチャーがしたくてたまらなくなったのです。

ダーカは、そっと、亀を近づけました。
・・・ラブシーンではありません。

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第184号
ページ番号
13 / 19
この作品について
タイトル
だまっとけ。(黙っとけ。)
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
週刊チャオ第181号
最終掲載
週刊チャオ第197号
連載期間
約3ヵ月23日