「あ・・・あのう・・・。」
「何チャオ?」
「あの人って何属性なんですか・・・?」

砂漠の中。ティカルチャオは角が2本折れているオニチャオを、
指さします。
オニチャオは怒り気味の口調で言いました。

「おれは、オニチャオだ。そんなこと聞いてどうする?」

オニチャオは上目遣いの目線でティカルチャオを睨みます。
ティカルチャオは顔を強ばらせて、目線を外します。

「オニチャオ~、そんなひどい言い方だめちゃお~。」
「うるさい。俺の発言内容を決める権利は俺にある。」
「無茶苦茶チャオ~。」
「けっ、まいいや。此処が噂のピラミッドか・・・。」

そこには、昔、ソニック達とエッグマンが戦ったピラミッド。
今はただのサビれている、機械の墓場みたいな物です。
そして、何が噂かというと、ここには伝説の兵器があるらしいのです。

「エッグマンが来る前から隠されていた兵器か・・・。」
「オニチャオ~なんかいやな予感がするチャオ~。」

そんな、オモチャオを押しのけてティカルチャオが出ます。

「あのぅ、私も行って良いですかぁ?」
オニチャオは一瞬顔をしかめましたが、
「勝手にしろ。」
と言って中に入っていきました。

・・・・・・。

「・・・ここに入ったのか。オニチャオは。」
「あなたですか。こんな所になんのようですか?」
「オニチャオ。あいつと戦って、俺は手にこんな傷が付いた。」

その場に似合わない厚みのコートに身を覆ったチャオが言います。
そして、そのチャオはクロスにえぐられた手を見せつけました。

「直入で敵をたたきつぶす。G―CROSSの出番だ。」
「かっこいい名前ですね!略してGCですか!」
「違うわ!勝手に定価が1万2000円も下がったゲームに略すなぁ!」

「いや~つい雨の静けさを破ろうとして・・・。」
ナックルズチャオは太陽光線を浴びながら言います。
「・・・血の雨にしてやろうか?」
「大丈夫です!俺は死ねません!」

・・・しばらくお待ち下さい・・・

「ふぅ、さすがに中は涼しいな。」
「ですね!なんか、僕たちに話が回されてるけどOKなんで?」
「俺たちの方が話が弾むらしいな。」
「僕たちスパイなんですけどね!」
「知ってるなら黙れ。てっきり、精神やられているかと。」
「つきあいが上手いですね~。」

そんなことを良いながらひっそりと、後をつけるGCのメンツ。
ナックルズチャオはさらに赤くなった自分の体を見て、
ちょっと本当に精神がやられているようです。
もちろん赤くなったわけは詳しく話しませんが。

・・・・・・。

「・・・おい。オモチャオ。」
「何チャオ?」
「誰かに付けられているような気がするんだが。」
「そんなの気のせいチャオ!多分・・・。」
「ところであいつも居ないなぁ。」
「あ!何処に行ったんだろう・・。」

密閉空間独特の風が恐怖を増大させます。
オモチャオは怖くなってその場に座り込みます。
オニチャオもさすがに歩き疲れたせいかその場に座ります。

しばらくして、オニチャオはティカルチャオを探しに行きました。
彼女はすぐに見つかりました。
ピラミッドは普通結局一本道になることが多々あるので、
もう一つの道を、いま自分たちがある行ってきた道と一つになる所、
そこまでを探せばいいのです。

「うぅ、迷っちゃったよぉ。」
「そーかいそーかい。そんなに怖いか。」
「!!」
「びっくりしたような表情するな。おまえを見つけることくらい簡単だ。」
「いや、てっきり死んでしまったのかと。」

オニチャオは一瞬目をつり上げましたが、すぐに表情を戻し、
見つかってよかったなと言う表情に変えました。
ティカルチャオがやけに怖がって顔を伏せたからです。

「さてと。そろそろ、あのチャオもどきの所に戻らないとな。」
「はぃ。・・・・・・。」
「なんだ?なんか、いやそうだな。」
「別に何でもありませんよぉ。」
「そうか。ならさっさと戻るぞ。」

二匹はさっさと、オモチャオの所へ戻っていきました。
さっきの要領で戻り、オモチャオとも合流しました。
そして、彼らはさっさと奥に進んでいきました。

・・・・・・。

「お化けか・・・。」
「そうらしいですね!でもG―CROSSチームの俺たちが・・・。」
「当たり前だ。捻り殺す。」
「・・・普通は捻りつぶすんじゃないんですか?」
「五月蠅い奴だな。おまえは黙ってろ。」

ナックルズチャオはスパイのくせに「うるさい」とか「黙ってろ」
なんて言われて流石にショックだったようです。

「ひどいです!ジ・クロスさん!」
「棟梁だぞ。俺は一応。何故に本名で言う。」
「だからなんですか!もっと偉い人が居るじゃないですか!」
「なんだ?そんな奴が居るとでも言うのか?」
「大統領(大棟梁)。」

・・・しばらくお待ち下さい・・・

「けっ、ブッシュよりも俺の方が良い仕事するもんね。」
「と・・・ところで今お化けと勝負しているのでは・・・?」
「あぁ、もうこの通りだ。」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第183号
ページ番号
10 / 19
この作品について
タイトル
だまっとけ。(黙っとけ。)
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
週刊チャオ第181号
最終掲載
週刊チャオ第197号
連載期間
約3ヵ月23日