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~広大な砂漠に二匹の点&そして新たな紅一点~
暑く苦しい砂漠の中。
いや、言うなればその上と言うべきでしょうか。
非現実的な浮島。そこにハリモグラもといナックルズが。
彼はそこで本をぺらぺらとページをめくりながら読んでいました。
暑くはないようです。涼しげに過ごしていました。
しかし、閑々と照りつける太陽が一瞬ふっと遮られました。
ナックルズが太陽の方向にあわてて向きます。
しかし、そこには真っ赤に燃える・・・チャオが。
「ぎゃぁぁぁぁ!!!」
「うげ。ちょっと着地失敗したかなぁ。」
「オニチャオ~。着地というか墜落しているチャオ。」
「なんなんだって、オニチャオ?何処に居るんだ。」
オモチャオは機械の手で、そのチャオを指さします。
指されたチャオは、鋭い目つきで上目遣いをして、
白い歯を見せつけました。
百戦錬磨のナックルズもかなりびびったようです。
「・・・何か、大変なことでもあったのか?」
「え?無いと言うことがない訳がないでしょ。」
「オモチャオ。二重の否定になっているぞ。」
「ははは。まぁ、みんな元気そうだな。」
「オニチャオ。でも、ちょっと暑くないちゃお?」
「まぁ男だけだからな。」
「違うちゃお!どう考えてもこの土地のせいでしょうが!」
そう言って、
オモチャオは島の端っこから、下の広大な砂漠を指さします。
しかも、此処はよりたいように近いので暑くてたまりません。
「なるほどな。なら、落ちろ。」
「え?いきなり何を言うチャオ、ってうわあぁぁぁ・・・。」
「オニチャオ・・・やりすぎじゃないのか?プロペラとってるし。」
「大丈夫。あいつの生命はゴキブリ並だから。」
「まぁ、島の下は影になっていて涼しいだろうけど・・・。」
「でもなんだ?」
「ここ。高さ4000mだぞ?いいのか?」
「ま、俺は無傷だし。」
さすがのナックルズも、この言葉にはかちんと来たようです。
あわてて反論しました。
「おい!それでも仲間か!」
「いや、仲間じゃない。」
あっさりとしすぎた答えにナックルズも押し黙ります。
そして、それを見たオニチャオは続けてこういいました。
「あいつは俺の奴隷だ。」
そのころ、地上まで紐無しバンジーを楽しんだオモチャオは、
目の前にお花畑と川が見えていました。
しかし、急にそこに黒い影が現れます。
「ははは、まだ生きていたのか。」
「・・・何か知らないけど許してぇ!!!」
「反省の顔色ではないな。」
「いや!それは機械の顔だから!機械の顔!」
オニチャオはオモチャオの顔を踏んづけてにたりと笑っています。
しかし、そこで、上から降りてきたナックルズが仲裁します。
これこそ九死に一生をえると言うのでしょうか。
「まあ、とにかく二人とも、喧嘩はするな・・・でもなぁ。」
ナックルズはしばらく考えた後、
ふと、良いことを思いついたかのように、ガーデンへ。
そしてそこから一匹のチャオを連れてきました。
「ヒーローガーデンの孤児のティカルチャオだ。」
「けっ、なんでこんな女なんか・・・。」
「ま、かわいければいいちゃお!」
「・・・ま、とにかく、こいつもいつまでもおいておく訳にはいかない。一緒に旅をさせてくれ。役に立つだろうから。」
しばらく考えていた二匹は、OKすることにしました。
「・・・ティカルチャオです。よろしくお願いします。」
「礼儀がなっているって良いことだな。」
「お、オニチャオが珍しくほめたチャオ。」
ティカルチャオは何も言いませんでしたが、
ふと、オニチャオを見たとき、すこしどきっとしたのでした。
さて、何が始まるのでしょうか、こっちのメンツ。
しかしその時、ナックルズのようなチャオが、3匹を見て薄笑いを浮かべていたのでした。