想像の小説観をまずは全部文字に書け! 1

俺の初期の小説を見てて思いました。

「なんて読者に想像させにくい文章なんだ」と。

デッサンと小説はよく似ています。
二つの違いは、「感情を出すかどうか」という事ですが、
共通点の方が基本的に重要です。

共通点とは何か?



『そこに見えた世界をどれだけ緻密に書くか』です。

要するにその世界を表すとは『説明を入れる』ということ。

説明文の何もない小説はいわゆる「絵無し漫画」と呼ばれ、
全く読者に想像させない、意味不明な話となります。



例えば戦闘シーンにその重要さは顕著です。
戦闘シーンが上手く書けない理由は、
それがあまりに『動作の転換が熾烈な物で書ききれない』からです。

剣を振る。相手も剣を振る。剣で防ぐ。
それだけ書けばみんな戦闘だと思っていますよね?
でも、それは「上半身」の問題。

「下半身」は動かしていないのか?
仲間は見ているだけなのか?

スポーツは上半身よりも下半身の動きが重要です。
下半身を表していない戦闘に動きなど見えてきません。
それに仲間が多くいるなら全員違う動きで相手と戦おうとする。

…で、それが書ききれないから自分の戦闘がチープになる。

俺も今偉そうに言いましたが、そんな物、全部書けないよ?
さっき言ったとおり、戦闘は動作の転換が熾烈な物。
それをリアルに文字に書くのはひっじょーに困難かつめんどいのです。

だから、『戦闘は冒険モノでも控えめに』。

タイトルに「想像した世界を全部文字に」とは言いましたが、
それがあまりに無理なシーンは書かない方が良いでしょう。
戦闘が表せるのはやはり漫画や動画なのです。
小説も無理とは言わないですが、連載では疲れますからね。

後、戦闘シーンをリアルにするのにあまりに文字数が多いと、
逆に読者がパンクするので注意。



で、次に緻密な物を書く重要さが分かったならば、
ここからが腕の見せ所です。



今から話すのは『整理』という作業です。
ちょー重要です。
緻密に書くだけじゃまだ不完全です。

「こんなこと書いたらだらだらな小説になる~」とか、
そう言うのを見極め、 
『すっきりしている文』(特に説明文)をめざしていきましょう。


(まずは整理の方法)

緻密に思い浮かんだことを全部書いてみる。(頭の中でね!)

頭の中で、いらないと思うことを整理して消していく。

実際に打ち込んでみる(書いてみる)。

めんどくさそうですが、一度慣れたら、
以外とパパっと終わってしまいますし、書くときに楽ですよ。

では、細かい整理すべき部分を書いていきましょう。



1・『キャラ』を増やしすぎないこと。



(書き始める前の人用)

当たり前ですが、小説では、
なるべく読者の注目を主要人物に集めるようにすることです。

人間せいぜい一度に聞ける会話は1~2つでしょう。
聖徳太子じゃないんですし。
なので、読者かって一度に認識できるのは1~2つのことだけです。

よって、メンバーの中でさらにいくつかグループが出来るくらい、
人数をボンボンと増やしてしまうのはあんまりよろしくないです。

あまりに多くメンバーを作ると、
メンバーの中でも「他人」と感じさせるキャラが出来てきます。
読者はせいぜい小説中に記憶できるキャラは5つくらいまでで、
後は『忘却されしキャラ』となりうるのです。

(5人くらいならば会話もすっきりしますし、
 先ほど言った同時に起こる会話の数も2つ程度に収まります。)

そうするとなんだかまとまりのない小説になりますし、
作者自身かって覚えるだけで疲れるでしょう?(笑

(わざと「他人」と思わせるキャラを作ることもありますが。
いわゆる「空気キャラ」というヤツです。)



ドラマ性のあるゲームは多くて仲間は5人以内のことが多いです。
逆にそっちの方が展開を多く作れるし、
それをプレイする方も誰がどんな性格かを覚えやすいのです。

確かに、DQやファイヤーエンブレムなど、
機構性を持った(大人数を上手く使うことを主とした)ゲームは、
仲間が大量にいます。

が、小説ではやはりそんなことを書くのは不可能なので、
主人公含め仲間キャラ数はせいぜい『3~5人』が良いですね。

沢山キャラがいる場合は、より1人1人の性格を強めないと、
なかなか難しい事になってくると思いますし、
それに、少ない方が、誰かが死ぬイベントでも同情を集めますし、
それぞれの個性をより強める効果がありますからね。

俺は『少人数』をオススメ致します。



→次に続く。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第325号
ページ番号
2 / 7
この作品について
タイトル
某の久々小説講座。
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
週刊チャオ第325号