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―なんだってぇ、ライカ誘拐?
ったく、誘拐して身代金3億円だってかぁ?
もっと金額多くしたらいいのになぁ。
―いや、そんなこと言っている暇無いだろ、タフべぃびい。
これは裏の組織から依頼が来るかもしれないな。
―なら、僕の推定で言うと、
3億円を受け取った後に行く方が有効ですね。
そっちの方が3億円の受け取りと報酬がもらえます。
3億円は見つからなかったとかいって、
裏組織に渡してしまえばこっちのモノですからね。
・・・くっ、このがめついマセガキ野郎が。
―ところで、あのおかまさんは何処に行ったんですか?
―どーでも良いだろーよ。どうせ女に捕まっているんだろ?
取り返してきた方が良いんじゃねーの?
ニヤニヤ笑いながら俺の方に目配せする。
なんなんだ、この赤ん坊は。
というか、完全に誤解されているような気がするんだが。
―とりあえず、また例の公園のベンチに行ってくる。
俺は、ドアを開けておかまに気を付けながら、
例の公園に行った。
公園の名前はユニコーン公園という。
最近、チャオの小動物で、ユニコーンが開発された。
そして、一匹俺たちも買ってきたのだが、(ペットとして)
赤ん坊とマセガキが突然「解剖する。」などと言いだして、
いつの間にか、ユニコーンが消えていた。
(その夜は、馬刺を食べた。特に深い意味はないと思うが。)
で、ユニコーンと言えば昔そんなバンドがあった。
俺は「すばらしき日々」と「雪の降る街」が好きだ。
「働く男」も良いかなぁ・・・って、誰も分からないよな。
まあ、そんなわけで、俺はいつものベンチに座る。
煙草に火を付ける。21歳なのでもちろんOKだ。
俺は不良ではない。
いろんな意味で不良なのはあいつらだ。
そうしていると、黒ずくめの男が向こうから歩いてきた。
俺は何も言わずに立って、男を横切るように歩いた。
―・・・南海キャンディーズのしずちゃんは、
―でかい。
俺が一言そういうと、男はDVDを一枚俺に手渡した。
多分、ミッション・インポッシブルの名場面だが、
変なところが現実的だ。
俺はそのまま家に帰ってきた。
―お、もうもらってきたのか。早いな。
―早速再生してみましょう。
マセガキはDVDを再生する。
すると、しわしわのおっさんが・・・裏の世界のボスが、
画面に映った。
―まぁ、君たちにわざわざ任務を送るために、
私が映っているのだ、感謝して聞け。
別におまえの顔なんて見たくもないんですけど。
―今、速報で流れるが、どうやら3億円を渡したらしい。
何をするかは大体分かるだろう?
私は期間を言うだけだ。期間は・・・3日だ。
成功を祈る。
尚、このDVDはこの映像が消えた瞬間、
大人ののDVDになる。
俺は、重要なセンテンスを見抜いた。
一つは、期間が3日であると言うこと。
そして、もう一つはこのDVDが成人用になったことだ。
―ふっ、成人用なんてつまらねぇよな。
どうせ×××した後、●●●するだけだろ?
―ですよねぇ。△△△なんてつまらないだけですよ。
調味料さんはどう思いますかぁ?
何やら、「赤ん坊」と「小学生」が言い合っているようだが。
その前に自分たちの年齢を確認して欲しいと強く願う。
こいつらはやっぱり何かが変わっている。
そして、その夜。
俺たち3人(おかまはどこかへ行った。もう来ないで欲しい。)は
俺の愛車ハマー2に乗って仮眠をとることにした。
―ふう、後もう少し角度を右に落とすと、上手く背中が付けて、
これだけの疾患を防げるんですけどねぇ。
マセガキはPCをおもむろに俺に向けた。
余計なお世話だ。
―でも、なかなか良い車もっているなぁおい。
俺にこれを乗り回させてくれよ。
アクセルとブレーキに足が届かない赤ん坊が何を言うか。
俺は二人の文句を耳に入れながら眠りについた。
もう少し静かになれよと心で思いながら。