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浩輔はガーデンにチャオより一回りも二回りも大きい、
多分、人間だろうという影が見えた。
「あ・・・あの、あなた達は・・・。」
すると、一番年をとっていそうな男が近づくなりこういった。
「ふふふ、世の奥様方。健康によい・・・いや、
チャオを守るのによい素材を紹介しますよ。」
「ま、まさか、あなたは・・・み●もんたさん・・・?」
そのみのも●たは軽く笑ってこういった。
「まぁ、よく世間一般の方にはそういわれますよ。
何せ、顔も口調もみのもん●に似ていると言われますからね。」
「じゃあ、貴方は●のもんたさんじゃ無いと・・・。」
「ふふふ、私はですね、みのもんと言うのですよ。」
「みのモン!?」
「・・・なんかポ●モンと一緒にしているんじゃないんですか?」
「いや、だって・・・その・・・。」
「失礼ですね。まぁ、今回はチャオを守るために来ましたよ。」
チャオはそのみのモン(みのもんだっけ・・・?)に、
相当懐いているようだった。
流石、芸能界をだてに長くいるわけではないらしい。
(いや、本物かどうかは本人が認めていないけど。)
すると、チャオの中でもいつもボクシングや、
野球観戦をしていたチャオがすり寄っている男がいた。
そして、その顔を見た浩輔は驚いた。
「い・・・イ●ロー!?」
「いやいや、●チローではないんですよ。それが。」
どうやらさっきとノリが同じのようだ。
「僕の名前はグチローなんだ。」
「愚痴ろう!?」
「そうだ。だってそうだろ。最近、ファンを増やすために、
表情を多めにしたのに、WBCでは韓国に2連敗するし、
まぁ、愚痴言いたくなるよ。」
「・・・と言うことは、いつもはイチ●ーだと・・・。」
すると、その「グチロー」は墓穴を掘ったかのように、
浩輔のつっこみを無視、チャオにバットを振る練習をさせ始めた。
ここら辺で、浩輔はこの人は本物だと感じた。
「お、おいおい、バットぐらいちゃんともてよ・・・。」
しかし、此処は冗談なのだろうか、
チャオに「人間用のバット」を持たせているところを見ると、
やっぱり、これはグチローでいいやと浩輔は思った。
しばらくして、そのグチローが、
「お~い、任●郎!」と誰かを呼んだ。
すると、急に周りが暗くなり、
ぱっと、一人の男を照らすように、明かりがともった。
ここ、外なんですけど。
浩輔は、またまた、同じ言葉は繰り返したくないと思いつつも、
また、似たような発言をしてしまった。
「え。ふ・・・古畑●三郎!?」
「成る程、今、此処は暗くなっている、そして、私だけが、
輝いている。つまり、貴方は私に話しかけている。私しか見えないのだからね。」
それくらい誰でも分かる。
と、浩輔は思いつつも、聞いた。
「で、あんた誰ですか?」
「ふ、私は新畑任三郎なんですよ。」
その怪しい男はふふふと嫌みな笑みを浮かべた。
しかし、それ以上に、浩輔の目を、
「ある意味」釘付けにした人影が二つ見えた。