2・BLOWIN'
明くる日の朝。
俺は夢のことをレインに語った。
レインは言った。
「誰一人もいないのにそんなこと出来るはず無いじゃない。」
「そうだよな・・・。そうだよ・・・な。」
しかし、俺は夢が気になった。
俺はあの夢がやけにリアルに感じたのだ。
まさか・・・俺はあの後再度改造されて・・・。
頭をよぎるその不安は俺を確実に陥れた。
その日の夜に俺は行動を起こした。
密かに起きていて、その後のレインの様子を確かめた。
俺はレインを不信していた。
「さてと・・・次は・・・頼むわよ。」
何かを言っている。
「今日と同じようにしておけば・・・成功するから。」
何だ!何を言っている!何を言っているんだ!
しかし、俺にそれ以上立ち入り出来る勇気はなかった。
俺のぽよが渦巻きマークを浮かべている。
俺は、とんでもない不安を持っているに違いない。
俺は布団をかぶって、このことを忘れようとした。
俺はだんだん眠たくなったので、目を閉じた。
そして、鳥の音がしたので起きてみた。
すると、そこには処刑場があった。
俺が、一段と高く見える。
そして、下を見てみると・・・兵士がいた。ヒーローの。
あ、そうか、そう言うことか。
倒れたときからこの夢は始まったんだ。
あの時敵と思った家を見て、諦めたときから。
そうして、目を閉じた。そして、痛みを感じて、
あわてて、動いた。
「あ、ごめんね。スープこぼしちゃった・・・。」
「え・・・え!?レイン?」
「そうよ。・・・又、私の悪夢を見たの?」
レインは少しうつむいて目を左右に動かした。
俺は、少し切ない気持ちになったが、
どうすることも出来なかった。
もう、俺の心にはあいつが悪だとしか思えなくなった。
その夜。
又夜が来てしまった。そう思った。
悲劇の夜。俺は確かにそう感じた。
俺は又レインの独り言を聞いた。
あいつは俺は寝たと思っているらしく何か話しかけている。
「ねぇ、あなたなら何でも出来るはずよ・・・ねえ。」
何に話しかけているんだ?
俺はさらに聞き耳を立てる。
「成功しないの?なんで・・・ねぇなんでよ!」
「何が何でだ?」
「あ!・・・。」
レインはうつむいた。
俺はついにきれた。
「俺を殺そうとしているのか?なら出てやるよ!こんな家!」
「違う、いくらあなたが悪でも私は・・・。」
「けっ、どうせ白い心と黒い心は繋がらないんだよ。」
俺はドアを乱暴に開けて外に出た。
風が吹いている。
俺はその風に当たりながら近くの水面に顔を近づける。
月明かりにてらされたそれは鏡になっていた。
俺の頭に問うてみる。
あいつは何をたくらんでいるんだ?と。
俺の頭はこう答えた。
・・・ピピピ、404 NOT FOUND・・・
・・・指定された答えが見つかりません・・・
俺はむしゃくしゃした。何故かは分からない。
でも、俺はふと考えた。
何で此処を出ようと思わないのだろう?
何であいつのしていることをもっと聞かなかったのだろう?
何で殺されたいと思えなかったのだろう?
何故?
俺は疑問に感じた事はするようにと、
軍にいたとき教えられたような気がした。
俺は、そんなときに軍を出す俺を悲しみながらも、
ゆっくりと家へと戻っていった。
「・・・私も悪なのかなぁ。」
ドアがゆっくりと開いてレインが出てきた。
俺は立ち止まって其奴を見た。
何も持っていない。普通の服装のヒーローチャオだ。
いや、一つだけ。何か幻想的に光る石を持っている。
俺はゆっくりとこっちに来いと言った。
不思議にもぽよはぐるぐるにならなかった。