異世界

たどり着いた場所で最初に出会ったのはチャオだった。
「……本当に来れた」
本当にチャオがいる。
ということはもしかしたらソニックなどもいたりするのだろうか。
とにかくチャオがいるからいいのだ。
ここは森だった。
「森かー……」
人間が住むにはちょっときつい環境である。
というか、自然の中で生きる経験をしていない我が身には無理な話だ。
一旦森の外に出て人里へ行きたい。
しかし、自分はどういう扱いにするべきか。
異世界からやって来た魔法使い……なんて説明で通るとは思えない。
そもそもこの世界で魔法が使えるかどうかもまだわからない。
この時気付いたが、世界に魔法を適応させる技法については全く知らないわけで。
困った。
ここでふと後ろを見た。
自分が通ってきたゲートを見ようと思ったのだが、そこには何も無かった。
「……消えた?」
大ピンチの予感がした。
焦ってゲートを作り出してみる。
しかし、できなかった。
やっぱりこの世界では魔法を使うことはできないのか。
もっと慎重に行動するべきだったのだと猛省する。
しても遅いが。
チャオに惑わされてしまった。
「やばいな」
とりあえず外へ出て人を探そう。
一人は危険だ。

このページについて
掲載日
2010年7月16日
ページ番号
15 / 16
この作品について
タイトル
絶望
作者
スマッシュ
初回掲載
2010年7月16日