~斬首~ セカンド

「さぁ、らっしゃい!上手いたこ焼きあるじゃけいの!!」

とご主人様は、仕事をしていました。
ご主人様はたこ焼き屋を経営しています。結構売れる店なんですが今日は誰も来てません。
理由は分かっています。

ご主人様・・・・・上半身に何も着てないのです。


「おっかしいのう・・・・・今日は不調かの」

そんなこといってる間に、お客さんがどんどん遠ざかっていってます。

「なんで、お前そんなかっこなんだよ」

そういうと、一人の男性がやってきました。
ご主人様の友達の蓮さんです。


「おう蓮か!たこ焼き買いにきたんか?」
「その前に俺の質問に答えろ。何で服を着てない?」

「暑いんじゃ」
「冬なのにか?」
「熱気がやばいんじゃ!」


蓮さんがため息をつくと、隣のベンチに座りました。


「こんな外でやっている仕事なのに、そんな姿だとお客がこないぜ」
「え?この姿のせいなんか?」
「そうだ。いいから服着ろ」

そう言われると、ご主人様はここまで来る時に使っていた上着を着ました。


「これでええかの?」
「いいにきまってるだろ。たこ焼き一パック頂戴」
「おう!300円じゃが、200円でええぞ」

そうご主人様はサービスして、蓮さんから200円貰いました。

「ちっと待ってな・・・・・ん?おい。ここに焼いてた、たこ焼きどこいったかしっとらんか?」

と私に聞いてきました。私は知らないので首を横に振ります。
しかし、隣を見ればすぐに分かりました。


ライドがたこ焼きをたべていました。


「お前!何勝手にくっとるんじゃ!!」

ご主人様はライドに掴みかかりました。

「チャオチャオー!!」
「なにがチャオチャオーじゃ!!勝手に見せのもんくうなってゆったやないかい!!」

しばらくライドとご主人様は、暴れていました。

私はその間、蓮さんの所にいました。
蓮さんが、優しい顔で私を撫でてくれた時は嬉しかったのです。


そして、たこ焼き屋にあるラジオからニュースが流れてきた時に、喧嘩が終わりました。

「あぁ、しんどいわ」

そんな事を言っていたご主人様を蓮さんは見ていました。


「だったら、チャオ連れてこなければいい」

そういわれたご主人様は、真剣な顔になりました。


「ワイとこいつらは、家族みたいなもんや。離れ離れにはさせられん」

そういわれた時は、私もライドもうれしかったです。
そして、ラジオの声を聞いてみると、

「次のニュースです。またしても、チャオ強盗です」

とながれてきました。
聞けば、珍しいチャオを売買している人達があいついでいるそうです。


「また強盗かいの」
「お前の所のチャオも気をつけろよ。珍しいチャオがいるからな」

そうです。ライドはダークカオスで・・・・・


私はライトグリーンで、体が光っているのです。


「わかっとる。こいつらは誰にも渡さん」

ラジオのニュースはまだ続きます。


「次のニュースです。敵か?味方か?チャオ強盗の首を切っていく、暗黒ヒーロー『斬首』が昨晩も現れました。」


「そういや最近『斬首』って奴が現れたらしいやないかい」
「そうだな。・・・・・そういやたこ焼き、まだか?」
「おおそうやったな!じゃあ、200円貰おうかい!」
「さっき払ったじゃないか!」
「ちッ」
「知ってていってたのか」


そんなことをいいながら、ご主人様はたこ焼きを作ります。
こんなご主人様も、たこ焼き屋をやるまでいろんな事がありました。




ご主人様は昔、両親にチャオの森に捨てられた子でした。

その時、私とライドはチャオの森で熊に襲われていた所をご主人様が素手で倒してくれました。

以来私たちは一緒に暮らしています。

ご主人様は私達をチャオの森から出して、人間の世界で過ごすことになりました。

ご主人様はチャオはワイらの家族じゃ!っと言ってとても優しい人のなのです。



「ほい!たこ焼きできたてや!」
「ありがとうな」

そういうと蓮さんはベンチから立ち上がって、何も言わずに帰っていきました。


「よし、ヒューマ!ライド!仕事がんばっちゃろかい!」

ご主人様の今日の仕事はこれからなのです。





蓮はさっき買った、たこ焼きを公園で食べていた。

「やっぱりあそこのたこ焼き屋はおいしいわね」

さっきとは、違う口調でそう言った。


「・・・・・あいつはどう思ってるんだろ。」



「斬首のことを」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第301号&チャオ生誕9周年記念号
ページ番号
2 / 5
この作品について
タイトル
~斬首~
作者
斬守(スーさん,斬首,キョーバ)
初回掲載
週刊チャオ第301号&チャオ生誕9周年記念号