続き。

翌日、日曜日。

やはり昨日と同じ様に4人でシブヤを歩く。

そして、『あの』話題が出た。

【大柳】「ねえねえ、チャオにも人権を云々って国会でやってるけど、どうなるの?」
【吉原】「さて、あたしにもよく分からない。
     確か、与党の動物愛護法改正案の採決が来週だから、それまでの駆け引き次第かな。」
【倉田】「可決されるとどうなるの?」
【吉原】「事実上ペットと同じ扱いかな。飼い主によって登録が義務つけられて、他にもいろいろ。」
【中払】「もし否決されると?」
【吉原】「野党が提出して審議中の民法・戸籍法改正案が可決されるだろうから・・・
     まずチャオがペットではなく「住民登録」されて、ほとんど人間と同じ扱いになる。
     例えば、1匹で家を建てて暮らせたり、会社を作ったり、果ては選挙に出る事ができたりするかもね。」
【倉田】「マジ?」
【吉原】「ただそうなると、公職選挙法とか、他にもよく分からない法律とかも改正しなきゃいけないし、
     ひょっとしたら憲法まで改正しなきゃいけないかもしれない。
     それが、与党が反対する理由の一つかな。」
【中払】「ふ~ん・・・、よく分からないなぁ・・・」
【大柳】「レーナはどっちがいい?」
【レーナ】「レーナ、センキョニデテミタイチャオ!」

4人は思わず吹き出したが、レーナが怒った顔をしたので、

【大柳】「レーナ、ごめんね。笑っちゃって。
     ひょっとしたら、こういう考え方から変えていかないとダメなんじゃないかな?」
【中払】「そうかもね。
     ・・・・あれ?みんな、あそこ・・・・」
【吉原】「ん?」


中払が指した方向を振り向くと、そこには路地裏で小学生とおぼしき数人が1匹のチャオをいじめていた。


【倉田】「こういう所から、変えていかないとね。」
【大柳】「なんか、『浦島太郎』みたいだけど。」
【吉原】「そんな事言ってる場合じゃないでしょ、いくわよ!
     ウララ達、そこで待っててね。」
【ウララ】「ハイ、チャオ!」

彼女達は全員バリバリの茶髪なので、喋り方と服装さえ変えればヤクザにも見えるようになる。
実際、それで痴漢を撃退した事もあるくらいであり、この程度はたやすかった。


【吉原】「なぁそこのガキ、なにチャオをいじめてんだよ!」
【子供A】「は、はい・・・。」
【中払】「チャオだって生き物なんだから、証拠の写真でも撮って警察にチクりゃ、簡単に捕まるぜ?」

と、カメラ付きケータイを出す。

【子供B】「(小声で)チッ、逃げようぜ。」
【子供C】「あ、ああ。」

そして、尻尾を巻くようにして逃げて、チャオだけが残った。

倉田が拾い上げ、
【倉田】「この子、どうする?」
【大柳】「かなり弱ってるみたいよ?とりあえずあたし達で預けて、医者に見せようか。」
【吉原】「だね。後で引き取り先をネットで探せば問題ないでしょ。」
と、話がまとまりかけたその時、
【ミスト】「ミスト、コノチャオトオトモダチニナルチャオ!」
【レーナ】「レーナモチャオ!」
みんなが振り向くと、ウララもバジルも、ミストとレーナに賛成のようである。
【中払】「しょうがないなあ、でもあたし達ではそんなに一緒に暮らせないし・・・」

【吉原】「あ!“アイツ”にでも引き取ってもらえばいいんじゃない?」
【倉田】「それ賛成!会いに行こうと思えばすぐ行けるしね。」
【大柳】「んじゃ、今からメール送るから、この子の写真、いい?」
【倉田】「いいよ。」
【大柳】「いきま~す。」

パシャ。


【大柳】「送ったよ。」
【吉原】「とりあえず、医者に見せた方がいいから家に帰ろうよ。」
【中払】「そうだね。」


4人と5匹は今来た道を引き返し、家に帰った。


                     続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第53号
ページ番号
2 / 7
この作品について
タイトル
『夢を継ぐ者』
作者
ホップスター
初回掲載
週刊チャオ第53号
最終掲載
週刊チャオ第57号
連載期間
約29日