~第七十二話~
ソニー「・・・・・・・・勝ったのか・・・。」
未だに不思議な感覚だった。
あの力を使うことは、ソニーはもう使うことは二度とないかもしれない。
だが、アクデゼを倒して終わりではない。
夜空が、また雲に包まれていった。
魔剣からは、チャスターエメラルドの力が伝わってきた。
その魔剣を幻想刀を持っている右手とは逆の左手で持ち、祭壇の真ん中の地面に刺した。
いよいよ別れのときがやってきた。
ソニーは腰のバックからチャオスエメラルドを取り出すと、エリが現れた。
エリは黙ったまま、魔剣に手をそえた。
そうすると、エリの周りがうっすらと七色に光り始めた。
エリはソニーを見た。
エリ「ソニー・・・・・ありがとう。ここまでこれたのは、ソニー達のおかげだ・・・本当に感謝している。」
ソニー「世界の平和の為だったら、やるのは当たり前だと思うけどな・・・・・だけど、いつの間にかそんなこと忘れてたもんな・・・・・エリのため、友達のためにやったまでだぜ。」
ソニーはエリに近づいていった。エリの目の前に立つ。
ソニー「・・・・・寂しくなるな。」
エリ「・・・・・・・・大丈夫よ。私はいつだって、ソニー達の心の中にいる。」
ソニー「・・・そうだな。絶対お前のことは忘れられそうにない。」
エリ「あんだけいろいろあっといて、忘れるほうがおかしいと思うけどな。」
エリは少しだけ笑った。
エリ「今から果たす事が二つあることは覚えているな?」
ソニーは暗黒谷の塔の中での会話を思い出した。
ソニー「おいおい。今からじゃ、果たせないぞ?」
エリ「いや、果たせるよ。」
エリは、穏やかに笑っていた。
この姿をもう見れなくなることはまだ実感できなかった。
エリ「一度チャオスエメラルドを一度封印するから、その私の幻想刀で破壊してほしい。」
ソニー「おいおい、果たすことってそのことか?大丈夫だ。ちゃんと解放してやるぜ?」
エリ「いや、それは今からする。」
エリはソニーの前に近づき・・・・・。
キスをした。
ソニー「なッ・・・・・・!?」
ソニーが驚いている間に、エリはチャオスエメラルドを封印した。
ソニーの目の前には、大きなチャスターエメラルドが現れた。
ソニーはしばらく驚きっぱなしだったが、やがて穏やかに微笑んだ。
そして、幻想刀をチャスターエメラルドに向かって振り上げ・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・アディオス、チャスター・エリ・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・神のご加護がありますように・・・・・・・・・・・・・
振り下ろした。
そして、ソニーが刀を振り下ろす間際にこう聞こえた。
エリ「大好きだったよ・・・・・私の始めてのお友達さん。」