~第六十二話~
シャーはミユキの父であった。
ある日シャーが出かけている時に、家が火事になった。
二才の少女はミユキだった。シャーの妻は炎の中から子だけは助けたかったのだろう。
妻はすでに燃えて死んでいた。転生も意味のないものになっていた。
そして二才でありながら、ミユキは氷の幻闘術を使い、火事から脱出した。
ミユキ「なんであの後、おじいちゃんの所に私を預けたの?」
シャー「妻を助け出せなかった僕が、お前にあわせる顔がないからだ。」
ミユキ「別にそんなんでもなかったのになー。」
アクデゼが驚いている間に、シャーとミユキは話していた。
そして、シャーは他の仲間に言い始めた。
シャー「ソニー、テル、ナックー、エリ、ロミー、ユリカ!今の話を実は聞いているだろう!過去の事は変えられない!過去の事を悔やんでもしょうがない!今どうするべきか!自分がどうするべきか未来を考えろ!過去にあったことが全て正しいわけじゃない!過去の不幸だけで、現実は醜い世界になるとは限らない!人それぞれ違う!優しい奴もいれば!厳しい奴もいる!この世界を暗黒に染めるというのなら!優しい奴はどうなる!正しく生きてきた奴はどうなる!そんな人を滅ぼす馬鹿げたことにするなんて、僕はありえない!」
続けてミユキも言う。
ミユキ「過去にあったことは、自分の生きてきた証だよー。それをなかった事にするのは自分の人生を否定することと一緒になっちゃうじゃん。だからさ、過去を受け入れて、未来について考える。これが一番だと思うんだ私は。まぁ、ゲームでも言っているセリフだけど、こういうことはやっぱり大切なんだよ?だからさー。」
シャーとミユキは一緒に言う。
シャー&ミユキ「過去の後悔から目を覚ませ!!」
ミユキ「はもった!はもったよ!さすが親子!!」
シャー「当然だ。」
???「お前ら・・・・・何言ってやがる・・・・。」
声のするほうを向くと、ソニーが立っていた。
他の仲間も、全員立ち上がっているようだ。
アクデゼ「・・・・・たいしたやつらだ・・・。」
アクデゼは、もはや驚いてはいなかった。
それほどの人たちと気づいたのだろう。
ロミー「ソニーが、人間はいい奴っていうなら、やっぱり人間は本当はいい人たちなのよね?」
ソニー「・・・あぁ、その通りだ!」
エリ「私はあいつを封印しても過去を繰り返すことになる・・・・・だからこそ、他の奴らをまきこまないようにする・・・・・そうすればいいのだな。」
ナックー「というか、エリにそんなことしてやがったんだなあいつ!!」
エリもナックーもロミーも正常になっていた。
テル「主人の叶えたかった夢を壊すようなことはさせない!!」
ユリカ「兄のしたことを、無駄にはさせませたくありません!!」
テルとユリカも正常に戻っていた。
みんな未来へと、走り出した。
アクデゼ「・・・・・安心するには早すぎるんじゃないのか?」
アクデゼがそう言った。
ナックー「へッ!負け惜しみ言いやがって!」
アクデゼは気にせずに言い続ける。
アクデゼ「お前らが一年間特訓する間、俺がお前らをほおっておいたのは何でだと思う?」