~第六十一話~
アクデゼ「死の記憶(デットメモリー)」
そう言うと、エリとユリカは苦しみ始めた。
シャー「今度はどんな記憶を見させた、貴様。」
アクデゼ「ユリカは兄が死んだ時の事だ・・・・・。シャルの兄貴が死んだ時の記憶も見ているようだ。」
シャーはその時疑問に思った。
シャー「何故だ?何故シャルの兄貴を殺したんだ?理由が無いのに殺すわけ無いよな?」
アクデゼは、シャーを睨んだ。
そして答える。
アクデゼ「俺とヴァルバドズ。チャスターエリの力だけで封印できると思うか?」
そういうとこう続けた。
アクデゼ「シャルの兄は・・・・・元はチャスターエメラルドの守護者だった。」
シャーは思い出した。本の内容に、4人生き残ったと書いてあった。その分からなかった一人がシャルの兄だったという訳か。
アクデゼ「奴は俺達が封印された後、ナックルズ系チャオの一族に守るように頼んだ。そして奴は、転生防止薬を飲み、永遠と生き続けていた。シャルは奴のことを兄と呼んでいたが、実の兄ではない。ユリカもその事を知っているだろう・・・・・。」
シャー「つまり、恨んでいたから殺したと?」
アクデゼ「奴は強いから殺しただけだ。シャルとユリカとは違うくらいにな・・・・・。」
そして、ユリカの過去の話を終えた。
意識が正常であるものが、シャーとミユキだけだった。
ミユキ「それでエリはなんなの?なんの記憶?」
アクデゼ「・・・・・俺達が何故チャスターエメラルドから封印が解けたと思う?」
ミユキ「炎でも使ったんじゃないの?」
こんな時にもへんてこりんな回答をするミユキ。
そして、エリがされていたことが明らかになった。
それは、エリが解放されたい理由の一つであった・・・。
アクデゼ「エリの精神に、ダメージを与え続けたためだ。母国の人々が死に逝くさまを。永遠と、約千年間見続けさせた。死に近かっただろうな。約千年も耐えられたのが異常なほどだ。その時と同じ気分にさせているだけだ。」
シャーはエリを見た。
エリ「やめてくれ・・・・・やめてくれ・・・・・やめてくれやめてくれやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ!!私にその記憶を見せるな!!なんでだ!!なんでこんなにも死んでいくんだ!?転生した後も、すぐに殺しに行くのはなんでだ!!そうやって、何故殺す!!なんで幸せを失わせて殺そうとするんだ!!何故母を殺した!!やめろ!!それ以上殺すなああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
シャーはエリを見ている。
シャーは何を思ったのだろうか。
アクデゼ「そろそろ終わりだ。もうすぐ影の王国が復活し、魔剣も復活・・・・・影の王国が復活する・・・・・。火山は噴火し、雷が鳴り続けるなどの自然現象も崩れるだろう・・・・・それは人間のいる世界にも影響し、そして私が滅ぼしにいく・・・・・。」
そして、アクデゼは目を閉じた。
アクデゼ「死の記憶(デットメモリー)」
アクデゼは目を開けた。
そこには、精神に苦しむチャオがたくさんいた。
だが、その中で二人だけ平気なチャオがいた・・・・・。
アクデゼ「なんだと・・・・・?」
シャー「その記憶がどうしたというんだ?」
アクデゼ「何故だ!?貴様はあの火事の時、妻を助けられなかったはずだ!!」
ミユキ「いやいや、そんなんで私は倒れないよ?無敵で最強だよ。」
アクデゼ「貴様も母親が、火の中で苦しんでいる所を見ただろう!?何故平気でいられる!?あんなに愛されていたにも関わらずに?」
アクデゼは荒れていた。
無理も無い。この技で何人もを殺してきたのだから、聞かないなど0に等しい。
シャー「妻はあの火事の中、子を守った。そして僕が助けた・・・・・妻が死んだことは悲しいが、そのことに後悔などしていない・・・・・後悔などしたらあいつにもうしわけないだろう?命がけで子を助けたあいつは、立派な母親だった。」
ミユキ「それに、人生幸せもあれば、不幸もあるんだよ?そんなんで不幸なこと思い出して、精神やられるような私じゃないよ?お母さんが死んだことを鮮明に思い出したけど・・・・・火事の中でも助けてくれた優しかったお母さんとしか思わないよ。運命は変えられるわけないし。」
シャーとミユキはそう言った。
ミユキはその時気づいた。
それは、ミユキが旅を始めた理由でもあった。
ミユキ「探し続けたかいがあったみたいだね・・・・・お父さんを発見しちゃった。」
シャー「・・・・・黙っているつもりだったんだがな。」