~第六十話~
アクデゼ「・・・チャオは人間に弄ばれている。蹴られ殴られ、時には売りさばき、時には殺す。ストレス発散のためにチャオを使っている奴さえもいる。そんな人間を滅ぼさないで、どうするというのだ?」
ソニー「人間とチャオは共に生きてきた生物だろ!!全ての人間がそんなはずが無い!!」
アクデゼ「なら、不幸せになるチャオがいてもいいのか?」
ソニー「そうじゃねぇよ!人間は!チャオを愛している!!それ以外になんの理由がある!?」
アクデゼは目を閉じた。そして言う。
アクデゼ「死の記憶(デッドメモリー)」
そういいアクデゼは目を開いた、次にロミーが苦しみ始め、テルも苦しみ始めた。
ロミー「いやああああああああああああああ!!近寄らないで!!こないで!!いやあああああああああああああ!!」
テル「なんで・・・・・なんで殺されたの?なにも悪いことしていないのに・・・・・平和はなにも・・・・・ああああああああああああああああああ!!」
ミユキ「これはやばいね・・・・・。」
ミユキが冷静に言う。危険だと察知したのか、いつより真剣に見えた。
エリ「お前・・・・・酷い事を・・・。」
アクデゼ「酷くは無い。過去を鮮明に思い出させているだけだ。テルは・・・・・お前らは昨日知った奴もいるな、テルの人間の相棒が人間に殺される所だ。なにも悪いことはしていないのに、人間とは酷いものだ・・・。」
ソニー「そんなわけ無いだろ!!少なくともテルの相棒はいい奴だった!!」
アクデゼ「だが、盗みなどして、やはり酷いことをしている訳だ・・・・・そして・・・・・ロミーとやらの方はもっと酷いな。」
そうアクデゼはいい、目をまた閉じる・・・・・ロミーの記憶を覗いているようだ。
アクデゼ「ロミーは人間に虐待を受けていたようだ。」
衝撃的なことを一言で言った。
ソニー「・・・・・なんだと?」
アクデゼ「エミー系チャオは珍しい。それを闇市で売りさばいて虐待を受け、また売りさばかれて虐待を受けるという、苦悩の毎日のようだな・・・・・そして、なんとかしてチャオの森に逃げ込んだ。」
そう言って、アクデゼはまた目を開ける。
アクデゼ「これでも、人間は酷くないと言えるのか?お前は人間を信じることができるのか?」
ソニー「・・・・・・・。」
アクデゼは答えを待たずに目を閉じる。
アクデゼ「心に迷いを創ったな・・・・。死の記憶(デットメモリー)」
そう言って、ついにソニーも苦しみ始めた。
泳げない・・・・・その理由でいじめられた時の事を思い出していた・・・・・。