~第五十五話~

ソニーは朝日の光で目が覚めた。

昨日あれだけ騒いでたせいか、辺りの一面の静けさを感じられた。


ソニー「・・・朝か。」


そうソニーは言って起きた。

シャーとエリとロミーは起きているようだ。
昨日彼らが寝ていた場所に誰もいないからだ。
しかし、周りに誰かいる様子もない。いるのはまだ寝ているやつらのみだ。

ソニー「どこいったんだあいつら。」

ソニーは塔の内部を探索し始めた。
こっちには、通信機があるから連絡をとればすぐに集まれる。
その前に塔の内部を探索してみることにした。

ソニー「機械仕掛けの多いところだな。アクデゼはどんな想像力を持っているんだよ。」

アクデゼの想像力で造られたこの塔は、機械仕掛けの多い塔だった。
モニター、エレベータ、そしてなにやらジュースが入っている箱(自販機)などたくさんある。


その時、ある一つの歌声がソニーの耳に聞こえた。
その歌はどこかで聴いたことがあった。


ソニー「エリがこの近くにいるな・・・。」


そう。
約一年前にあの湖で聴いたエリの歌だった。



その歌は、まるで自然を象徴している歌であった。



ソニーは歌声のするほうに行ってみた。

階段を降りてある一枚の扉を抜けた先に、やはり彼女はいた。
エリはイスに座っていた。


エリ「ソニー。もう目が覚めたのか。」

ソニーはエリに近寄りながら答える。

ソニー「あぁ。シャーとロミー以外はみんな寝てるけどな。あいつらどこにいったかしらないか?」

ソニーはエリの前に座った。

エリ「ロミーは答えてくれなかったが、シャーは墓に行くといっていたぞ。」
ソニー「・・・墓?」
エリ「詳しくは良く分からないがそういっていた。シャルの墓ではないらしいが・・・。」
ソニー「歩いていったのか?そうすれば今日中にあいつら帰ってこれるのか?」

エリは首を横に振る。

エリ「私が途中まで送ってやった。シャーはチャオティックルーイン、ロミーは迷いの森にそれぞれ行ったようだが・・・。」
ソニー「シャーは理由は分かったとして、ロミーは多分、迷いの森にいる手下達に会いに行ったんだろ。」

そういえば、ロミーの話を昨日しなかったな。それだけシャルの死が衝撃的だったんだな俺たち。うん、ロミーなんかすまない。

エリ「いよいよ、今日で私は解放されるんだな・・・。」
ソニー「うれしいか?」

ソニーはエリに問いかけた。
だが、内心不安を抱いていたのかもしれない。
エリは本当にこのまま解放されたいのかを・・・。


エリ「・・・本当にこの一年間は、今までの何倍も楽しかった。ソニー達のおかげだ。・・・・・だが、一生このままではいれない。チャオスエメラルドを封印したとしても、何回でも復活する・・・それどころか、私を破壊するようになるだろう。七つもあれば当たり前だ。」

エリは語った。
チャオスエメラルドは、いつしか弱体したエリを破壊し、世界の自然現象を変えてしまうだろうと。

エリ「それに、またあのような苦しい思いをするのはもうたくさんだ。・・・・・もともと私はチャスターエメラルドを封印するための役目を背負った。・・・・・私は解放されるべきであって、解放されたい。」

エリは立ち上がった。
エリは扉の方に歩いていった。ソニーも立ち上がる。
そして、エリは扉の前で止まった。



エリ「だがソニー。私は後二つだけ、やりたいことがある。」



ソニーは驚いた。
これから決戦だというのに、やることがまだあったとは・・・。

ソニー「後二つって何だ?急がないとやばいんじゃないのか?」

ソニーはエリにそういったが、エリは何も言わずに扉の向こうに行ってしまった。


ソニー「・・・駄目だ。思いつかない。」


ソニーはエリのやりたい事の心当たりがなかった。


ソニー「・・・まぁ、エリ自身で解決できることなんだろう。」


そう思い。ソニーは塔の屋上に戻ることにした。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第329号
ページ番号
65 / 87
この作品について
タイトル
夜空のエメラルド
作者
斬守(スーさん,斬首,キョーバ)
初回掲載
週刊チャオ第268号兼GW&ライカ記念特別号
最終掲載
週刊チャオ第330号
連載期間
約1年2ヵ月13日