~第四十三話~
ヴァルバドズ「チャオスエメラルドを充電するには丸一日かかる。そのためこのようなことを言ってきたのだろうな。」
ソニー「だが、俺たちが19時前に行く可能性だってあるんだぜ?」
シャー「それは無理だ。」
シャーがソニーの意見を否定する。
シャー「夜空の祭壇は太陽が沈む前に行かなければ、そこまでを繋ぐ橋が消えてしまう。これから行ったとしてももう間に合わない。それどころか・・・。」
ナックー「こいつも倒していかないといけないってわけだな?」
シャー「そういうことだ。」
そしてシャーは銃をあらぬ方向にむける。
シャー「ショット!」
シャーは撃った。普通のダークショットだ。」
ヴァルバドズ「どこに向かって撃っている?」
そしてヴァルバドズの斧から、シャーに向けて炎を出す。
シャーは、それを飛んで避けてからまた撃つ。今度は普通にヴァルバドズに向かって4発撃ったのだが・・・。
シャー「十二発。すべて避けてみろ。」
前に打った弾は、鉄格子にあたり反射してヴァルバドズに向かう。
左から二発、右から二発、後ろから二発、上から二発、そして前から四発、弾が襲う。
ヴァルバドズ「何!?」
そして全発命中した。
が、それにひるまないかのように今度はヴァルバドズは・・・・・。
ソニー「何!?」
エリ達の方向に向かって走り出していた。
まさか狙いがあっちに行くわけがないと思っていたソニー達は反応が少し遅れる。
ただ一人を除いて・・・。
ヴァルバドズ「ぶるぁ!!」
そして、ユリカの氷の盾を破り、炎の斧がユリカに迫る。
ユリカ「(お兄ちゃん・・・!)」
ユリカは過去にいなくなった兄を心の中で呼ぶが、彼はもう来ない。
そして、にぶい切り裂くような音が響いた・・・。
ユリカ「・・・・・?」
しばし時が経ったが痛みはない。
目を開けると、赤い姿が目の前にあった。
ロミー「あの馬鹿・・・・・!」
それはナックーであった。
肩から腰まで切り裂かれていた。
ソニー「ウインドブレス!」
ヴァルバドズに風の息吹が襲い、飛んでいった。
ヴァルバドズは空中で一回転して、鉄格子を蹴ってソニーに向かって飛んでいった。
ユリカ「ナックーさん!!しっかり!!」
ナックー「・・・・くしたんだよ。」
ロミー「防御出来ないくせに何やってるのよ!」
ナックーは生きていた。
心臓からは外れていたようだ。だが、今にも死にそうになっている。
ナックー「約束したんだ・・・あいつが・・ユリカを・頼むと・・・・俺に任せてくれた・・・・だから・・・・。」
ナックーは立ったまま倒れなかった、そして右腕を上げてから唱え始めた。
―炎は全てを凌駕する。炎は全てを無にかえす。
火炎は全てを燃やし尽くす。火炎は全てを灰にする。
火炎は怒りに比例する。火炎は喜びに比例する。
火は生物に恐怖に晒す。火は心を躍らす。
きたれ!炎の神よ!―
ナックー「俺はユリカを殺してきたあいつを許さねぇ!!」
ナックーの周りに炎が宿る。
ナックー「『炎』」