~第四十話~
テル「シャーはあぁ言ったけど大丈夫なのかな・・・・・。」
テルは一人で、最初にいた牢屋にいた。
シャーに頼まれた事を果たすために・・・・・。
ソニー「この上扉の向こうが屋上か?」
ソニー達は一つの扉の前に立っていた。
そこまで時間もかからず屋上にこれた所、牢屋は結構上の階にあったらしい。
シャーは少しためらった感じでソニーに話しかけた。
シャー「・・・ソニー。エリのことで頭がいっぱいだったせいか気づいてないようだが・・・。」
ソニー「何か問題でもあったのか?」
シャー「僕のチャオスエメラルドが盗まれている。他はどうだ?」
ソニーは驚いたように、自分の腰にあるバックの中を見ていたが、エメラルドは無かった。
他に人の顔も見てみるとやはりみんな無かったようだ。
シャー「おそらく奴が盗んだんだろう。時間は無い、行くぞ。」
ソニー「あぁ。」
ソニーは扉を開けた。
屋上はすでに日が傾いており、夕方になっていた。
まわりは鉄格子になっていて、上空はオレンジ色に染まっていた。
そして、その夕日の方向には・・・・・。
ソニー「ヴァルバトズ・・・・・。」
ヴァルバトズ「きたか・・・。」
ヴァルバトズは立ち上がる。
その後ろには大きなチャスターエメラルドだった。
ナックー「チャスターエメラルド!」
ロミー「エリ・・・・・。」
―ソニー?―
エメラルドから声が聞こえる。エリの声だった。
ソニー「エリ・・・。」
―来てくれると信じていたぞ・・・。―
ソニー「エリ。聞きたい事がある。」
―なんだ?―
ソニー「エリは・・・・・これからどうしたいんだ?」
―・・・・・エメラルドの使命として、私は消える。この世界を守るためにー
ソニー「そうじゃない。」
―?―
ソニー「エリ自身の意見だ。そんな使命とかは関係ない。」
―私は・・・・・―
ソニー「・・・お前が約千年間。苦しい思いでこいつらを封印してたのはさっき知った。だからお前に聞きたい。」
―・・・・・・・―
ソニー「これだけ生きてきたんだ。苦しかったんだろ?辛かったんだろ?俺の事は気にしないで言ってみろ。」
―・・・私だって、ソニー達といたいとは思っている。―
チャスターエメラルドから声が響く。
その間ヴァルバトズはずっと後ろ向きに座り込んでいた。
―でも・・・・・―
そして、泣き声も混じってこう続ける。
―でも私は・・・もう生きるのが怖い。一年間お前たちと生きてるだけで分かった・・・ずっと苦しかった・・・・・だから・・・・・―
ソニー「分かった。もう何もいうな。」
ソニーは、一度目を閉じてから言う。
ソニー「・・・・・エリ。お前を苦痛から解放してやる。」