~第三十九話~

シャー「・・・分かった。僕はそうすることにしよう。」
テル「じゃ、またあとで。」


そしてシャーはソニーのもとに向かい、テルはどこかへ消えていった。


ソニー「・・・・・。」
シャー「ソニー!」

シャーはソニーを呼びながら駆け寄ってきた。

ソニー「なんだシャー?早く行かないとエリが・・・。」
シャー「それにしてはゆっくりと歩いているんだな。」
ソニー「・・・・・やっぱり隠しきれていないのか。」
シャー「・・・ソニー。これを見てくれ。」

シャーがとりだした物は一つの本だった。

ソニー「・・・なんだこれ?」
シャー「二千年前のこの森の歴史が書かれている。エリの事も。」
ソニー「!」


二千年前なのに何故エリが関わってくるのか?

その事は多少考えただけで分かることだったが、今のソニーにはよく分からなかった。


シャーはあるページを開くと、ソニーに見せた。
そこに書かれてあったものは・・・・・。




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2000年前
チャオの森に光の国「チャピカル」があった。
王の名は、チャカリアル王。
とても大きく、面倒みのあるチャオだったという。

やがて王は王女チャスターと結婚し、娘が生まれた。

娘の名は、チャスター・エリ。
やがて彼女はヒーローカオスとなる。




ソニー「エリ!?」

ソニーが本を読んでいるのを周りの仲間もみんな聞いていた。

シャー「そうだ・・・・・エリは二千年前から存在していた。」
ナックー「ちょっと待てよ!」

ナックーは叫んで反論した。

ナックー「エリはチャスターエメラルドなんだぞ!?なんで普通のチャオとして生まれてき・・・・・。」

ナックーは発言を途中でやめて、ソニーが持っていた本を急いで見始めた。



ナックー「・・・似ている。チャスターという名だけ、エリとエメラルドの名がダブってやがる!」
シャー「ソニー。続きを読んでみろ。」

そういうと、ナックーの手を静かにソニーはどかし、続きを読み始めた。



1100年前
光の王国ができて約900年後。
ある目的のために影の王国が結成される。
その目的は・・・・・・・・。



ソニー「・・・・・・・・・あいつはそのために・・・。」


ロミー「分からないわけでもないけどね・・・・・。」

影の王国は目的を果たすため、それを邪魔する光の王国と戦乱が始まった。

そして、膨大なエネルギーを持つチャオスエメラルドを開発する。
これを使えば力が何倍にも跳ね上がり、7つ集めれば魔剣を生み出すという。

そのせいか光の王国のチャオの数の方がはるかに多かったのにもかかわらず、影の王国と互角に戦っていた。

光の王国はチャオスエメラルドを封印するため、チャスターエメラルドを創り出した。
しかし、その代償としてチャスター・エリ自体がエメラルド化してしまった。
誰かがエメラルドとならなければ、操ることができないためである。

そして50年後、この戦乱は終わる。
生き残ったのはチャオスエメラルドの守護者、つまりチャスター・エリと同じような存在の者とチャスターエメラルドの守護者である、4人のみである。

そして、チャオスエメラルドはチャスターエメラルド、つまりチャスター・エリとともに封印されてしまった。

しかし、彼女らは死んでしまったというわけではない。
異変がなければ、永遠に封印されたままであろう・・・・・。



ソニー「・・・・・・・・。」
ナックー「・・・あいつは約千年もの間、封印していたという事か・・・。」


ソニーは本をシャーに返し、歩き出した。


シャー「ソニー・・・・・どうするつもりだ?」

ソニーは振り向くとこう言った。



ソニー「あいつに一言聞いてくる。」


このページについて
掲載号
週刊チャオ第315号
ページ番号
46 / 87
この作品について
タイトル
夜空のエメラルド
作者
斬守(スーさん,斬首,キョーバ)
初回掲載
週刊チャオ第268号兼GW&ライカ記念特別号
最終掲載
週刊チャオ第330号
連載期間
約1年2ヵ月13日