~第三十三話~
ソニー「話ってなんだ?」
ソニーとエリは、岩場に座っていた。
辺りは静かで、風の音しかしない。
夜空には星が出ていた。
エリ「ソニーは、私のためになんでここまでしてくれるんだ?」
ソニーはエリを見た。エリは夜空を見上げている。
なんでここまで・・・・・か。
ソニー「前から言ってるだろ。仲間だからさ。」
エリ「仲間・・・・・。」
ソニー「仲間はな、協力していかないといけないんだ。それが仲間だ。」
エリ「だが、私を助けてくれた時仲間でも何でも無かった。面倒事に巻き込まれるのも嫌なはずだ・・・。」
ソニーは立ち上がって、少し前に出た。
ソニー「・・・・・俺にはさ、憧れている人がいるんだ。」
エリ「え?」
ソニー「その人は、困っている人をほおっておけない、優しい心の持ち主。冒険好きでどんな時でもあきらめない。・・・・・俺はその人のようになりたいんだ。」
エリ「その人の名前は、なんて言うんだ?」
ソニー「世界の英雄・・・・・ソニック・ザ・ヘッジホッグ・・・。」
エリはハッとした。
ソニック・ザ・ヘッジホッグ・・・・・。
数々の事件を解決している、伝説の英雄・・・。
だけど・・・チャオがソニックを見る事はあまり無いと言われていたはずだけど・・・。
ソニー「お前だったら、話せるな・・・・・。」
エリ「?」
ソニー「俺の・・・・・過去を・・・・・・・。」
いつからだろう・・・・・一人になったのは・・・。
いつからだ・・・仲間がいなくなったのは・・・・・。
俺の周りは、いつしか敵だけだと思い始めて来た・・・。
理由はいじめ・・・泳げなかったという理由からだ。
俺は元々心の弱いやつだった。
数日後自殺をはかろうとした。
雨の日・・・ドブ川に飛び込んだ。
これで、二度と苦しまなくていいと思っていた・・・。
だけど俺は生きていた・・・。いや、助けられた・・・。
ソニック・ザ・ヘッジホッグに・・・・・。
ソニー「それからソニックに世話して貰った、大切な事いろいろ教えて貰ったんだ。」
エリ「・・・・・そうだったのか。」
ソニー「それから、あの人に憧れて・・・幻闘術の風を覚えた。人助けもした。だけど・・・・・まだまだなんだ。」
エリはソニーを見た。ソニーの背中が見える。
ソニー「俺はすぐに諦めてしまうし、不器用で、心変わりが早い。だから、もっともっと旅を続けてあの人に近づきたいんだ。」
エリ「・・・・・・・・。」
心地良い風が吹いた後、ソニーはエリに振り返った。
ソニー「この旅に出れたのはエリ。・・・・・お前のおかげだ。」
エリ「ソニー・・・・・。」
ソニー「エリはどうしてそんなに、助けてくれる事に疑問を抱くんだ?」
エリ「・・・・・私のせいで、みんなが迷惑してるのかと思っていたから・・・。」
ソニー「迷惑なんて誰もしていないさ。」
エリ「もとわといえば、私の旅のせいでソニーが怪我したり、シャルが死んだりしてしまった。どう責任を取れば・・・・・。」
エリはうつむいてしまった。
ソニー「分かった。責任取って貰おうか。」
エリ「え?」
ソニー「俺達を、仲間だと思ってくれ・・・・・。迷惑になっている、被害者達だとおもわないでくれ・・・・・。」
エリ「・・・・・ぷ。あははははははは!」
突然エリが笑い出した。
ソニー「な、何がおかしいんだ!!」
エリ「だって・・・そう言って来ると思わなくて・・・ふははははははは!」
ソニー「そんなにおかしかったか、今の言葉?」
笑い止んだ後・・・エリは少し笑った顔で言った。
エリ「分かった、約束しよう。仲間だという事を・・・。」
ソニー「あぁ。」
二人は夜空の下で握手を交わした。