~第二十三話~
ユリカ「シャルお兄ちゃん?シャルお兄ちゃん!」
何度呼んでも返事はこない。シャルの体は雨で冷たくなっていた。
ユリカ「・・・うっ、う、ううう・・・。」
ユリカは泣き出した。ロミーもテルも泣いている。
ナックー「なんでだ・・・。なんでシャルが死ななくちゃいけねぇんだ!」
シャー「人だろうが何だろうが生物はいつか死ぬ。僕達はその覚悟が必要なんだ。」
ソニー「・・・シャドー。その言い方は無いだろ!!」
ソニーはシャーを掴みかかった。しかし、シャーは表情を変えない。
ソニー「じゃあ、シャルは死んでも良かったのかよ!!シャルの存在は!!どうでも良かったのかよ!!」
シャー「そんな事は言っていない。だが、エリと会った時に殺したあのダークチャオ達はどうなる?あいつらは、どうでも良かったか?だからお前は殺したのか?」
ソニー「それは・・・・・。」
シャー「殺す、殺されるとはこういう事だ。・・・それにこれからどうする?今一番大切なのはこの事だろう。」
ソニー「そんな事決まっている!あいつらをぶっ飛ばして、チャオスエメラルドを封印するんだ!!」
シャー「ふっ、ハッハッハッハッハッ!!」
シャーはいきなり笑い出した。雨はまだ止まない。
テル「シャー?」
泣いてた三人はいつの間にか泣きやんでいた。
シャー「・・・意外だった。自分達の目的を忘れていない事に。」
ソニー「当たり前だ!行こうぜ、シャルの為にも!」
シャー「駄目だ。」
シャーははっきり言った。
ソニー「なんでだ!?」
ナックー「そうだぜ!さっさと行こうぜ!!」
シャー「今の僕達の力じゃ、すぐにやられる。相手はサンダーブラストであの程度のダメージだ。」
エリ「なら、どうするつもりだ?」
シャー「時間はある。こちらのチャオスエメラルドを盗られなかったらいいんだからな。」
シャーはシャルの顔を見てから言った。
シャー「一年だ。一年修行をする。」
ソニー「一年もだと!?」
ロミー「そんなに待てないわよ!!」
シャー「何言っているんだ。これでも短い方だ。・・・9、10の威力の幻闘術を覚え、できれば<光・幻闘術>を覚える位まで。これが目標だ。」
ナックー「光・幻闘術・・・。」
ソニー「幻闘術の最終形態か・・・。」
ユリカ「・・・私もそれに参加させてください。」
ユリカは立ち上がって言った。
シャー「・・・それは復讐のためか?」
ユリカ「いえ、私もあなた達の手伝いをしたいんです。・・・シャルお兄ちゃんの分までも。」
シャー「・・・・・いいだろう。」
ユリカ「ありがとうございます!」
そう言って頭を下げると共に体ごと倒れてしまった。
ユリカ「いてててて・・・。」
ナックー「おい。大丈夫か?」
ユリカ「あ、はい大丈夫です。よくある事ですから・・・。」
ソニー「(良くあるって・・・。)」
ロミー「あははは。それじゃあ、特訓始めようか!」
ソニー「あぁ!!」
いつの間にか雨は止んでいた。
いつの間にかつくったシャルの墓に、日が差し込み優しく光が包んでいた。
そして一年後・・・・・ソニー達は旅立つ。